2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノプローブTEMによる炭素ナノ材料の表面原子構造操作と電気伝導機構の可視化
Project/Area Number |
17656232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
光田 好孝 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20212235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛巻 徹 東京大学, 生産技術研究所, 技術専門職員 (50396909)
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Keywords | TEM / マニピュレーション / カーボンナノチューブ / ダイヤモンド / ホログラフィー |
Research Abstract |
本研究は,透過電子顕微鏡(TEM)下でのナノプローブ操作により,炭素系ナノ材料の表面原子構造に対し直接物理的・化学的に操作し,同時に電子物性を評価・計測することから,材料の表面原子構造と電気伝導特性の制御と設計に関する新しい知見を得ることを目的とする.具体的には,TEM内でのナノプローブ操作と電子線ホログラフィーにより,ダイヤモンド表面,カーボンナノチューブ(CNT)表面の気体分子の吸着・脱離現象と表面電子物性との関係及び電気伝導機構を明らかにする.これまでに,バイアス印加状態でCNTに対して金属プローブによる曲げ変形応力を印加し,その際の表面構造の変化過程と電流-電圧特性との関係を評価した.CNTは曲げ変形により各層にたわみ(弾性変形)生じると電気伝導が低下するスイッチング動作を示すことを明らかにした.また,電子線ホログラフィー法による多層CNTの観察を実施し,電気伝導機構解明のための内部電位分布の解析についての予備的検討を行った.電子線ホログラフィーによるCNTの内部電位データ取得には15秒程度の露出時間を必要とする.したがって,その間の振動,試料のドリフト等の影響を以下に少なくするかが,技術的課題であることがわかった.CNTに対してバイアス印加中のCNTの内部電位計測はCNTの電気伝導を探る上でも極めて興味深い.データ取得へ向けて実験手法の構築を目指して検討を行っている.一方,TEM試料として用いるダイヤモンド単結晶表面に水素や酸素を終端させる予備装置の開発にも取り組んでおり,その場計測を可能にする最適な試料の作製についても検討を進めている.
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