2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機溶媒中の超音波放電プラズマによる金属内包カーボンナノカプセルの作製
Project/Area Number |
17656243
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 悦郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (70312650)
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Keywords | ナノ材料 / プラズマプロセッシング / 超音波 / カーボンナノカプセル / キャビテーション |
Research Abstract |
微細気泡よりなる超音波キャビテーション場では、絶縁性の有機溶媒中でも容易に放電プラズマが生起することを研究代表者は見出した。このプロセスにより、有機分子の熱分解によるアモルファスカーボンナノ粒子の作製、さらに電極由来の鉄粒子を内包したカーボンナノカプセルの作製を行う。申請期間中に、この新規プロセスにより、鉄族系(Fe, Ni, Co)金属またはカーバイド内包カーボンナノカプセルの作製、さらには貴金属微粒子分散の機能性カーボン材料の作製を行う。形態・構造評価、導電特性評価、磁性体評価および燃料電池触媒評価を行うことにより、耐酸化・耐食性に優れた高機能の磁性材料ならびに燃料電池電極触媒の開発を目指す。 本年度は、鉄金属ならびに炭化鉄内包のカーボンナノカプセルの作製を行った。実験方法は、まず、ガラス製の容器にエタノール100mlを入れ、テフロン製の蓋により密閉した。先端に純鉄製のチップを装着したホーンを用いてエタノール中に超音波を照射し、超音波ホーン直下にキャビテーション場を生成させた。ホーン直下に二本の純鉄製電極(φ2mm)を挿入し、直流電圧55Vを印加して放電プラズマを生起させた。遠心分離により実験後の溶媒から粉末試料を採取し、洗浄、酸処理および乾燥による精製後、TEMおよびXRD測定で得られたカーボンナノカプセルの評価を行った。TEM観察の結果、アモルファス状のカーボン微粒子凝集体の内部に径5nmから600nmのカーボンナノカプセルが多数確認された。内包微粒子の制限視野回折図形ならびに乾燥させた粉末試料のXRD測定により内包微粒子は炭化鉄(Fe_3C,χ-FeC_<2.5>)であると確認された。また、熱処理を施すことにより、内包炭化鉄はα-Feに分解した。
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