2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ金属酸化物粒子のノンストイキオメトリー測定方法の開発
Project/Area Number |
17656245
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河村 憲一 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (50270830)
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Keywords | 格子欠陥 / イオン結晶 / ナノ材料 |
Research Abstract |
酸化物の酸素不定比量は添加元素の影響を受ける。状態図によれば酸化セリウム-酸化アルミニウム系は相互に固溶することはない。しかし,現実には相互に微量に固溶し,酸素不定比性に影響を及ぼす可能性を否定できない。そのため,実験方針を変更した。すなわち,ナノ酸化物を一定の雰囲気のもと微重量変化を計測し続けると長時間経過後には粒成長をおこし,通常の酸素不定比量をもった状態になるはずである。このときに,別に粒成長挙動を測定しておけばその対比によってナノ酸化物の酸素不定比量を明らかに出来るはずである。 本年度は,市販のCeO_2ナノ粉末を用い,その粒成長挙動の観察,微重量変化の測定を時間の関数として行った。 CeO_2ナノ粉末(粒径:7.4〜27.4nm)の粒成長挙動を明らかにするため大気中773K,973K,1173Kで所定時間か焼し,X線回折(XRD)を行い,Scherrerの式を用いて平均粒径を求めた。その結果,時間に対して粒径はほぼ直線的に増加した。 1273K, Ar-1%O_2混合ガス雰囲気中において行った微重量変化測定においては,はじめ昇温ともに重量は減少し,所定温度に到達後,増加に転じ,その後ほぼ一定の値を示した。はじめの重量減少はCeO_2に吸着していた水分の脱離,次の重量増加は,粒成長が起きるため粒径が大きくなり,表面積が減少,すなわち,表面に起因するδが減少したことによると考えられる。その後,重量が一定となったのは,相対的に表面の寄与する割合が減少し,たためであると考えられる。今後,測定点を増やすとともに,再現性についての検討を行う。
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