2006 Fiscal Year Annual Research Report
不均一場における相分離構造形成の数理モデリング手法の開発
Project/Area Number |
17656248
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
塚田 隆夫 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (10171969)
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Keywords | 不均一場 / 相分離 / 数理モデリング / 温度勾配 / 濃度勾配 / レベリング / 流体力学的効果 |
Research Abstract |
不均一場(流動場・温度場・濃度場)における相分離構造形成に関する数理モデリング手法の確立を目指し、以下の3つのステップに従いモデルの開発を進めた。 1.温度及び濃度勾配下での2成分系相分離現象(簡略化モデル) 2成分混合液からなる薄い液膜層に温度及び濃度勾配を付与した際に発現する相分離現象の数値シミュレーションコードを開発した。本モデルは、連続式、運動方程式、エネルギー方程式及びCahn-Hilliard方程式の練成問題であり、数値解析手法として差分法を採用した。ただし、対象としている速度のオーダーが小さいと仮定し、ここではストークス流れに基づき流れ場の解析を行った。結果として、相分離構造に及ぼす温度勾配、濃度勾配さらにはペクレ数(流体力学的効果)の影響を理論的に検討し、それぞれの影響を軸とする3次元空間上に対して相分離構造のマッピングを行った。 2.温度及び濃度勾配下での2成分系相分離現象 比較的速度が大きい場合でも対応できるように、移流項に対してGodunov法を適用したコードを開発し、相分離構造に及ぼす温度及び濃度勾配の影響を検討した。特に温度・濃度勾配に重力場が共存した場合の相分離過程について明らかにした。 3.溶媒蒸発による高分子/高分子/溶媒3成分系相分離現象を伴うレベリング現象 溶媒蒸発を伴う高分子/高分子/溶媒3成分系薄膜のレベリング現象を潤滑理論に基づき解析し、これをCahn-Hilliard方程式による相分離現象の解析と統合することを試みた。しかし、議論ができるほどの数値シミュレーション結果を出すまでには至らなかった。今後の課題として、研究を継続する予定である。
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