2005 Fiscal Year Annual Research Report
マクロポーラスカーボンモノリスの創製と階層構造制御法の開発
Project/Area Number |
17656251
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田門 肇 京都大学, 工学研究科, 教授 (30111933)
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Keywords | マクロポーラスカーボンモノリス / ゾルーゲル法 / 3次元マクロ細孔構造 / 超音波照射 / レゾルシノール / ホルムアルデヒドゲル / 凍結乾燥 / マイクロ波乾燥 |
Research Abstract |
本研究は,ゾル-ゲル重合過程で超音波を照射することにより,レゾルシノールとホルムアルデヒドから有機ゲルを合成し,凍結(マイクロ波)乾燥,炭化によって,テンプレートを使用せずにスポンジ状の「共連続構造」のマクロポーラスカーボンモノリス(連続したマクロ流路を持つカーボン成型体)を製造する新しい方法を開発し,カーボン中のマクロ構造とナノ構造の階層制御(独立制御)法を開発することを目的とする。 先ず,カーボンクライオゲルの細孔特性に及ぼすゾル-ゲル重合過程での超音波照射効果に関して実験的検討を加えた。超音波照射によってカーボンクライオゲル中のメソ細孔が顕著に発達することが明らかとなった。この知見は特にゾルーゲル重合において触媒として使用する炭酸ナトリウムの濃度が大きい場合に顕著であり,超音波照射によってカーボンクライオゲルを広い条件で作製できることを示唆する。一方,触媒濃度が低い場合は,超音波照射によってテンプレートを使用せずにマクロポーラスカーボンモノリスを作製できることが分かった。走査型電子顕微鏡観察により,本材料はスポンジ状の「共連続構造」(連続したマクロ流路構造)をもつことが分かった。また水銀ポロシメータによって求めたマクロ細孔分布から,本カーボンモノリスは比較的シャープな細孔分布をもつことが明らかとなった。 カーボンモノリスのマクロ構造を制御するために,マクロ細孔構造に及ぼす炭酸ナトリウム濃度の影響を実験的に検討した。触媒濃度を変化させることによって,マクロ細孔は100nmから1μmまで変化させることができた。 来年度は,レゾルシノール-ホルムアルデヒド水溶液のゲル化過程を検討し,構造発現に及ぼすゲル合成条件、超音波照射の影響を解明する。以上の知見に基づいて,マクロポーラスカーボンモノリスのマクロ構造とナノ構造の階層制御(独立制御)法を提示する予定である。
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