2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ材料による水素貯蔵システムの熱工学的課題の解決
Project/Area Number |
17656254
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深井 潤 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (20189905)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中曽 浩一 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (40363379)
|
Keywords | 熱工学 / ナノ材料 / ナノチューブ・フラーレン / 複合材料・物性 / 水素 |
Research Abstract |
研究初年度に当たる本年度は、充填層-伝熱面間の接触熱抵抗がどの程度反応性に影響を与えるのかを見極めるため、まずは、充填層内で生じる現象をできるだけ詳細に考慮した解析プログラムを作成し、その妥当性を示すとともに、実験装置の製作を行い、水素吸蔵合金充填層による水素吸収・放出特性を調べた。以下、その概略を示す。 1.伝熱学的検討 充填層内部の化学反応およびガス流動、熱移動などの移動現象、さらに水素吸収反応に伴う水素吸蔵合金粒子の膨張を考慮に入れた熱解析プログラムを作成し、既往の実験データと比較して、粒子膨張を考慮することにより、高精度の性能予測ができることを示した。さらに、充填層-伝熱面間の接触熱抵抗を含む総括伝熱係数、充填層内の有効熱伝導率、充填層のガス透過率などのパラメータが、反応速度へ与える影響について検討した結果、総括伝熱係数や有効熱伝導率の増加により反応速度が向上することがわかったが、一方,透過率に関しては、反応速度にほとんど影響しないことがわかった。充填層内の空隙の存在が伝熱速度を低下させる主な原因であるので、今後、実験では熱伝導促進用ナノ材料を充填層内に用いることから、空隙が減少して透過率の低下を招くと予想される。しかし、物質移動の影響がほとんどないという解析結果は、実際にナノ材料を充填層内へ導入する際の制約が少ないことを表している。 2.材料学的検討 水素吸蔵合金として最も一般的なLaNi_5により評価するため、同心二重円筒型反応器を用いた実験装置を製作し、まずは粒子のみの水素吸蔵・放出特性を調べた。今後は、上述の熱解析により得られた知見を基に、カーボンナノチューブなどの熱伝導促進体を用いて伝熱速度向上を検討する予定である。
|
Research Products
(2 results)