2005 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素を反応場としたメカノケミカル反応手法の創生
Project/Area Number |
17656256
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
仁志 和彦 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 講師 (20262412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上ノ山 周 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50233945)
三角 隆太 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40334635)
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Keywords | メカノケミカル / 超臨界流体 / 反応・分離工学 / 粉体工学 / 化学工学 |
Research Abstract |
本年度は超臨界二酸化炭素中におけるメカノケミカル反応の定量的な評価を行った。原料粉体の粉砕速度を明らかにしたうえで、反応速度、生成物選択性、回収率を明らかにした。反応系としては超臨界二酸化炭素が純粋に分散溶媒として働く「ランタンオキシクロミド合成反応」と、超臨界二酸化炭素自身が反応物となる「炭酸水素ナトリウム合成反応」を対象とする。 (1)超臨界二酸化炭素中における各種原料粉体の粉砕速度 原料粉体を粉砕した場合について、粒径分布の経時変化を測定し、粉砕速度および比表面積増加速度を明らかにした。粉砕速度に影響を与える因子としては、圧力、粉砕翼回転数、媒体充填率、試料濃度、媒体および粉体の流動分散状態について検討した。その結果圧力および翼回転数が粉砕速度に大きく影響することが判った。また、超臨界二酸化炭素中の粉砕では試料濃度が大きい場合でも粉砕速度が低下しにくいことを明らかにした。 (2)超臨界二酸化炭素中におけるメカノケミカル反応 [ランタンオキシクロミド合成反応] 実験では、圧力を変えてメカノケミカル反応を行い、生成物収率の経時変化を測定した。同反応結果は超臨界二酸化炭素を使用しない条件、すなわち乾式粉砕を用いたメカノケミカル反応の場合と比較検討された。同反応は超臨界二酸化炭素中粉砕を行いことによる粉砕速度の向上により反応速度が大きくなることが判った。 [炭酸水素ナトリウム合成反応] 二酸化炭素が反応物として働く同反応においては、二酸化炭素の濃度(密度)が反応に及ぼす影響と粉砕速度が及ぼす影響の両者について検討した。 その結果、超臨界二酸化炭素濃度および粉砕速度によってナトリウムの炭酸化反応と、炭酸水素化反応のバランスが変化し、適切な条件を設定することで、付加価値の高い炭酸水素ナトリウムを選択的に生成できることを明らかにした。
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