2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞表層工学的手法による汎用性の高い活性化樹状細胞調製法とその抗腫瘍効果の評価
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17656266
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長棟 輝行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 耕一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 研究拠点形成特任研究員 (80329143)
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Keywords | 細胞膜修飾剤 / 骨髄細胞 / 腫瘍細胞 / 樹状細胞 / 抗腫瘍効果 / 細胞免疫療法 |
Research Abstract |
(1)マウス大腿骨から採取した樹状細胞前駆細胞の未成熟樹状細胞への分化誘導 マウス(C57BL/c)の大腿骨より採取した骨髄細胞をGM-CSF(10ng/ml)存在下、10%FBS添加RPMI1640培地で6日間培養することにより、CD11cを発現し、Fcレセプター高発現、MHCII及びCD86低発現した細胞、つまり未成熟樹状細胞を誘導することが出来た。 (2)抗体をアンカーリングした腫瘍細胞に対する樹状細胞の貪食誘導 細胞膜修飾剤Biocompatible Anchor for Membrane(BAM)を介して抗体を腫瘍細胞(マウスリンパ腫EL-4)細胞膜上に抗体をアンカーリング出来た。アンカーリングされた抗体は、抗Fc抗体が結合出来、Fc部位を細胞の外側に向けていると考えられる。腫瘍細胞を樹状細胞と1時間共培養したところ、抗体をアンカーリングした腫瘍細胞を用いることで、腫瘍細胞を取り込んだ樹状細胞の割合が、抗体をアンカーリングしていない腫瘍細胞を用いた場合に比べ約4倍増加した。ただし、緑色蛍光標識した腫瘍細胞と共培養した樹状細胞を赤色蛍光標識し、フローサイトメーターで蛍光解析した結果、両蛍光ポジティブ細胞を、腫瘍細胞を取り込んだ樹状細胞とした。また、共焦点蛍光顕微鏡により赤色蛍光を有する細胞の内部に緑色蛍光を有する細胞が観察され、樹状細胞が細胞内に腫瘍細胞を取り込んだことを確認した。 (3)腫瘍細胞貪食後の樹状細胞の活性化 抗体をアンカーリングした腫瘍細胞と未成熟樹状細胞を24時間共培養した結果、腫瘍細胞を取り込んだ樹状細胞は成熟マーカーであるMHC class II及びCD86分子を高発現していた。腫瘍細胞を取り込んだ成熟樹状細胞を調製出来た。
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