2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子治療用アデノウイルスベクターの高生産バイオリアクタープロセスの開発
Project/Area Number |
17656269
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福田 秀樹 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (30263396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山地 秀樹 神戸大学, 工学部, 助教授 (40283874)
後藤 章暢 兵庫医科大学, 先端医学研究所, 教授 (70283885)
白川 利朗 神戸大学, 医学部, 助教授 (70335446)
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Keywords | アデノウイルスベクター / 遺伝子治療 / 293細胞 / 固定化 |
Research Abstract |
アデノウイルスベクターは患者の細胞に治療のための遺伝子を導入する遺伝子治療用のベクターとして近年多用されてきており,高品質のアデノウイルスベクターを効率良く大量生産可能な技術の確立が急務となっている.アデノウイルスベクターの生産は,ヒト胎児腎臓細胞由来の293細胞などのベクター産生細胞をあらかじめ培養し増殖させた後,これに少量のアデノウイルスベクターを感染させ細胞内で増殖させることによって行われる.本研究は,アデノウイルスベクターを高生産可能なバイオリアクタープロセスを開発することを目的として,基盤となる技術の構築を検討した.本年度は,アデノウイルスベクターの293細胞への感染特性および細胞内における増殖特性の解明を試みた.まず,アデノウイルスベクター生産に及ぼすウシ胎児血清の影響を調べたところ,アデノウイルスベクター感染後に血清無添加の基本合成培地を用いて培養を行った場合,細胞1個あたりのアデノウイルスベクターの生産量は,血清添加培地を用いた場合の約70%となることがわかった.このことから,培養途中で培地を血清無添加の基本培地に変更する二段階培養によるアデノウイルスベクターの効率的生産の可能性が示唆された.また,平均孔径60μmのポリビニルポルマール樹脂多孔質体粒子(2×2×2mm)に293細胞を固定化し,固定化細胞によるアデノウイルスベクターの生産を試みたところ,多孔性粒子内に高密度に固定化された293細胞を用いてもアデノウイルスベクターを生産可能であることがわかった.
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