2005 Fiscal Year Annual Research Report
放電抑止効果を持つ衛星用太陽電池パネルの電位分布の研究
Project/Area Number |
17656277
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
佐々木 進 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙情報・エネルギー工学研究系, 教授 (00092221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 孝治 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙情報・エネルギー工学研究系, 助教授 (90321570)
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Keywords | 太陽電池パネル / インターコネクタ / プラズマ干渉 / 放電 / snap-over / 二次電子放出 / 高電圧太陽電池 |
Research Abstract |
宇宙用太陽発電パネルではセル同士を接続するインターコネクタ部(導電部)が宇宙空間に露出し宇宙空間プラズマと干渉する。電位の異なる多数の小電極が分布する平板と周辺プラズマとの干渉は、最大電圧が同じでも電位の分布に強く依存する。太陽電池パネルのセルの配列にはある程度の設計上の任意性があるため、適切なセル配列を選ぶことにより衛星の故障に直結する太陽電池パネル面での放電を抑止できる可能性がある。本年度は、各種の絶縁物上の単電極及びポリイミド上に配置した3x3ヶの電極アレイを持つ疑似太陽電池パネルを、宇宙空間プラズマを模擬した大型・中型スペースチェンバー内に設置し、正電圧を印加した電極とプラズマとの干渉を調べた。アレイ電極は高電圧太陽電池のインターコネクタ部を模擬している。絶縁物上の電極では一般に絶縁物が無い場合と比較して電流が抑圧されることが観測された。これは絶縁物が電極により加速された電子により帯電するためと考えられる。一方絶縁物がある場合でも印加電圧が高い場合には電極電流が急増する現象(snap-over現象)が見られた。二次電子放出量の小さなTi板(電極及びグランドとは絶縁)を後方においた場合はこのような電極電流の増加が見られなかった。このことからsnap-over現象には電極周辺物質の二次電子放出が本質的な役割を果たしていることが分かった。
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