Research Abstract |
本研究では,まず最初に従来の知見を収集し,さらに必要最小限の基礎データを自ら実験などにより求め,次の段階に進むのが適当かどうかの判断を下すのに十分な情報を提供することを第一の目的とする.本年度中に下記の1)から6)の事項について検討をした.これまでのところ研究計画はほぼ順調に進んでいるといえる. 1)トンネルの仕様の検討:着工時期を2015年として,総延長1000〜10000kmの長大トンネルを計画してみた。トンネルの有効径,最大深度,必要な立坑の数とその位置などを検討し,トンネル仕様の概略を決めた.その際,以下に述べる検討を通じて適宜見直した. 2)自動掘削機:掘進径1〜3mで,日進100m以上の掘進速度を有すること,掘削径がある程度可変であること,長期間の使用に耐えること,完全自動化されていること,ある程度の自己診断と修復機能を持つこと.このような仕様を持つ自動掘削機の製作が可能かどうかを検討した. 3)支保計画・Ground Control:可能なかぎり無支保とし,岩盤条件の悪いところについては鋼繊維補強コンクリートなどを利用した,自動化し易い支保形式を模索した.なお,支保の選択は,掘削データを中心にして,リアルタイムのデータ収集と処理により,自動的におこなうことも考えた.掘削と支保の作業手順,維持・管理,湧水の制御・管理,通気の制御なども勘案して,相応しいGround Controlの青写真を作成した. 4)掘削ずりの運搬方式:流体輸送,垂直コンベアー,連続コンベアーなどのコンベアー類,ずりの粒度を揃える必要があるときのために,各種破砕機.また,同時に掘削機のための送電線の敷設方式,支保部材など切羽で必要な機器,部材の運搬方式についてもした. 5)完成後の保守:完成後の保守についても,未知な部分が多いが,避けて通れないことは明らかであり,考えられるいくつかの方策を提案した. 6)新エネルギー(太陽光,風力,地熱)の有効利用との関連:新エネルギーの大規模利用との関連を検討した.
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