Research Abstract |
本研究では,金属,プラスチック,ガラスなどからなる複合廃棄物を効率的に資源化・リサイクルする立場から,解砕・破砕,選別を合理的に行うための主な要素技術を開発し,製品設計へフィードバックすることを,目的とする。 今年度は,廃OA機器,使用済み自動車のシュレッダーダスト,廃二次電池を対象に,以下の検討を行った。 1)成分状態と結合状態について調査した。廃コピー機の場合,構成成分は,鉄50%,プラスチック25-30%であり,このプラスチックの内容はABS 48%,ポリオレフィン類(PS, PE, PP) 47%で,基盤,感光ドラムを手選後に,破砕方法を工夫すれば,単体分離は可能と判断した。使用済み自動車のシュレッダーダストの場合は,ウレタン 42%,土砂 10%,プラスチック類26%,金属類 10%であり,単体分離が不充分なものもあるので,さらに破砕する必要があることを見出した。廃二次電池の場合は,角型電池については工夫した破砕により単体分離は容易であると判断した。 2)上記の廃棄物について,解砕,破砕,剥離について検討した。廃OA機器の場合,プレス-切断-破砕により金属類とプラスチック類の剥離ができた。使用済み自動車のシュレッダーダストについては,長尺物を選択的に除去後,破砕することで単体分離が可能であった。角型二次電池の場合は,液体窒素を用いた冷凍破砕で単体分離できた。 3)ジグ選別により金属,土砂とプラスチックの分離,プラスチックの成分別分離が精度よくできることを見出し,その最適条件を明らかにした。 4)電気的・磁気的選別による金属とプラスチック類の分離,プラスチック相互の分離などについて検討し,これらの分離精度はジグ選別より劣ることを見出した。
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