2005 Fiscal Year Annual Research Report
逆化学ポテンシャル付加の溶融塩液体膜による核融合炉トリチウム透過漏洩抑制の研究
Project/Area Number |
17656297
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深田 智 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (50117230)
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Keywords | 溶融塩 / トリチウム / 漏洩 / Flibe / 核融合炉 / イットリウム |
Research Abstract |
核融合炉先進ブランケット材料の一つであるFlibe(2LiF+BeF_2混合溶融塩)は化学的安定、高磁場下で高温運転が可能という利点がある一方、トリチウム発生に伴いそれと平衡にあるトリチウム分圧が高くなり、ブランケットとそれを取り囲む金属壁を通してのトリチウムの外部漏洩が問題とされている。従来提案されているアルミナ酸化膜等を塗布する方法では、運転中の外部応力等でクラックが入り、阻止性能が低下する恐れがある。本研究では、核融合炉からのトリチウム漏洩抑制策の革新的アイデアとして、液体膜透過壁にトリチウム濃度勾配と逆方向の水素化学ポテンシャルを負荷し、トリチウム漏洩防止の可能性を実験的に証明しようとする。 まず実験では、LiF溶融塩をMoるつぼに入れ、正極をMoるつぼ壁、陰極を水素化したY板とし、端子電庄を変化させて、Ar気流下で、Mo正極からの水素の発生状況を調べた。Yは水素吸蔵能力が金属中で最も高く、逆ポテンシャル下の水素拡散を調べる本研究の目的に合致している。その結果Nernstの理論式に所定の過電圧を加えたとき、溶融塩中の水素の拡散が抑制されることが見いだされた。実験の過程で電極が最も重要なファクターであることが分かったので、現在はY金属に酸化物導電体を取り付けた電極を用いて実験を継続中である。 本研究代表者は、核融合炉溶融塩ブランケットのトリチウム透過と回収について広範囲に研究をおこなっておきており、研究初年度である本年度は関連する核融合炉工学関係の論文誌に上記の結果も含めて研究成果として公表した。
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[Journal Article] Quantitative measurement of Beryllium-Controlled Redox of Hydrogen Fluoride in Molten Salt2005
Author(s)
M.F.Simpson, G.R.Smolik, J.P.Sharpe, R.A.Anderl, D.A.Petti, Y.Hatano, M.Hara, Y.Oya, S.Fukada, S.Tanaka, T.Terai, D.K.Sze
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Journal Title
Fusion Engineering and Design 81
Pages: 541-547
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