2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17656301
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三村 均 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10091753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新堀 雄一 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90180562)
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Keywords | 高レベル廃棄物 / マイクロカプセル / フェロシアン化物 / モリブデン / セシウム / パラジウム / 有効利用 / 環境負荷低減 |
Research Abstract |
本研究では、Mo、Cs^+およびPd^<2+>に注目し、MoをCs^+およびPd^<2+>に対する高吸着性・高選択性吸着剤に変換し、資源の有効利用を図るための基礎研究を行った。吸着剤として、容易に調製でき、Cs^+およびPd^<2+>に対して高吸着性・高選択性を示す不溶性フェロシアン化物を選択し、Cs^+およびPd^<2+>に対する吸着特性を評価するとともに、28成分系の模擬高レベル廃液からのCs^+およびPd^<2+>に対する高吸着性・高選択性を確認した。また今後のカラム実験に際して取り扱いを容易にするために、アルギネートマイクロカプセル(ALG-MC)による賦形化を行い、Cs^+およびPd^<2+>に対する吸着特性を評価した。以下にその成果の概要を記す。 (1)前年度の成果でCsとPdに吸着性の高いフェロシアン化物FeMo-3を用いて、模擬高レベル廃液(SW-11)からのCs^+およびPd^<2+>に対する吸着速度を調べた。SW-11には硝酸濃度が2.5M、Na^+が約1Mと高濃度で含まれ、さらに様々な核種が含まれているが、FeMo-3はCs^+およびPd^<2+>に対して高い吸着率(90-100%)を示した。このことから、実廃液からもCs^+およびPd^<2+>に対する高吸着性を期待できる。 (2)調製したFeMoとアルギン酸ナトリウム溶液を混練し、硝酸カルシウム溶液中に滴下することで容易にALG-MCを調製した。SEM観察によりFeMo-MCの直径は約1mmで、表面に数多くの皴が確認できた。内部のSEM観察やEPMA分析によって吸着されたCs^+およびPd^<2+>の分布を調べ、均一に包括固定されていること、1時間程度で吸着平衡に達すること、粉末状フェロシアン化物と同程度の吸着率が得られることを確認した。 (3)アルギネートゲルによる粉末状のFeMoのマイクロカプセル化を図ったが、高硝酸濃度下でのFeMoの溶出を抑制するという付随効果が得られた。
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Research Products
(2 results)