2005 Fiscal Year Annual Research Report
化学分析の省力化を目指した液々向流型マイクロ抽出器の開発
Project/Area Number |
17656303
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹下 健二 東京工業大学, 資源科学研究所, 助教授 (80282870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 武泰 東京工業大学, 資源科学研究所, 助手 (10313371)
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Keywords | 抽出器 / 液々向流 / 多段抽出 / マイクロ反応器 / 化学分析 |
Research Abstract |
核燃料再処理工場をはじめ原子力施設ではシステムの運転状況確認のため、多種多様な化学分析が行われており、液々抽出技術は重要な分析手法として広く利用されている。本研究では、液々抽出を利用した化学分析の省力化・廃液発生量の低減化を目指して、「液々向流型遠心抽出器」を開発する。従来の遠心抽出器では原理的に不可能な「一つの装置での多段抽出分離」の達成を目指す。以下に本年度の研究成果を要約する。 1.遠心抽出装置には、大型装置(内管直径60mm、内管(回転胴)と外管の隙間幅12mm、装置内有効高さ350mm)と小型装置(内管直径30mm、外管との隙間幅6mm、装置内有効高さ200mm)の2種類を作製した。水相(連続相)を装置上部から、有機相(分散相)を装置下部から流した。内管を回転させると層流から乱流への遷移領域において連続相にTaylor-Couette流が形成された。 2.有機相及び水相の可視化実験及びトレーサを用いたステップ応答実験を行い、装置内の流動特性を検討した。その結果、Taylor-Couette流の安定化には内管表面の材質として疎水性のテフロンを用いることが有効であり、有機相の流動が3段の完全混合槽列で記述できることがわかった。Taylor-Couette流による油滴の上昇抑制効果によって、有機相を保持して、栓流に近い流れを達成することができた。 3.次いで1mM Zn(No_3)_2を含む水溶液(水相)と10mM D2EHPA/ドデカン溶液(有機相)を向流で流してZnの連続抽出実験を行い、液液向流流れの安定性と抽出分離能の関係を調べた。定常状態での装置出口における水相と有機相のZn濃度を測定した。ミキサーセトラー計算コードを用いてこれらの実験結果から抽出器に形成される理論段数を求めた。その結果、約3〜5段の理論抽出段が装置内にも形成されていることがわかった。
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Research Products
(3 results)