2005 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙太陽発電のための自己放熱性SiC系熱電変換木質材料の開発
Project/Area Number |
17656309
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
畑 俊充 京都大学, 生存圏研究所, 講師 (10243099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 弘藏 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80026369)
今村 祐嗣 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (70151686)
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Keywords | 宇宙太陽発電 / 熱電変換 / 木質炭素化物 / SiC / 熱電特性 / 多孔質 / パルス通電加熱 / 出力因子 |
Research Abstract |
宇宙太陽発電では大気及び気象条件の減衰、日変化によらず供給が安定的に行われる。しかし、発電部は太陽光によりさらされることで、加熱され高温になる。このような過度の加熱は発電効率を低下させる要因の一つであるために軽量かつ高耐熱・強度な放冷材料の開発が望まれる。そこで、本研究では、通常は嫌がられる木質材料の異方性を逆に利用するというまったく新しい発想を持ち込み、軽量かつ高耐熱・強度が期待できる木質炭素材料に熱的異方性を付与することで太陽光による加熱部の熱の移動を材料内部で行いその熱を電気に変換する高効率な熱電変換材料の開発を目指す。SiCとカーボンの積層条件を変化させて成型体を製造し、プレス面方向と垂直方向の熱定数の差を大きくする条件および成型体そのものの熱的異方性発現機構の解明を検討する。 粒度32-45μmの木質炭素化物と市販の同粒度の粒度のSiO_2粉末を均一に混合しパルス通電加熱装置を用いて加圧加熱しSiC/C複合材料を調製した。大気中で700℃,2時間酸化させることによって多孔質SiC複合材料を作製した。試験体の構造解析はラマン分光分析により解析し、熱電特性は測定温度50℃〜700℃で出力因子(P=α2σ)を算出し評価した。 多孔質SiC複合材料の表面のラマン分光分析を行った結果、大部分β-SiCから構成されていることがわかった。ゼーベック係数測定から1600℃,1800℃で作製した試験体はn型半導体であり、また測定温度の上昇に伴いどちらの試験体のゼーベック係数もほぼ直線的に増加した。電気伝導率は、測定温度の上昇とともにほぼ直線的に増加し、一方、出力因子は測定温度の上昇に伴い増加する傾向を示した。
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