2005 Fiscal Year Annual Research Report
ORFの存在しないシロイヌナズナ発生分化関連突然変異遺伝子の解析
Project/Area Number |
17657001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米田 好文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10124215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 光宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40361563)
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Keywords | シロイヌナズナ / acaulis変異体 / 茎伸長 / 花茎 / RNA |
Research Abstract |
シロイヌナズナ茎伸長の総括的な分子レベルの理解を目標として、花茎伸長欠損変異acaulis2(acl2)の単離・解析を行ってきた。acl2変異体は、3型メタマーのみに欠損を持つユニークなもので、acl2変異遺伝子の単離を目指し、第1染色体のACL2存在領域のゲノム塩基配列を解読した結果、acl2-1変異体にのみ見られる1塩基置換を発見した。しかし、この1塩基置換を含む領域には有意なORFが取れなかったが、1塩基置換を含むゲノム領域に対応する野生型ゲノム断片を半優性変異であるacl2-1変異に導入した。その結果、約2割程度の頻度で変異表現型が回復した。これらの結果から、変異を見出した断片に突然変異が存在すること、この断片を含むゲノム領域には変異表現型を回復させる配列があること、再導入断片が元の遺伝子存在部位以外に挿入される場合、表現型の回復は部分的に留まることが示唆され、この当該領域に有意なORFは存在しないが、極めて少量ではあるが、転写されるRNAは存在するらしいこともわかった。さらに、当該領域を持つトランスジェニック植物のDNAレベルでの詳細な性格付けを行い、個体毎の次世代でのゲノム断片と表現型との対応を詳しく調べ、形質転換植物の導入断片の染色体上の位置と表現型回復度合いに関連はあるのかを詳細に検討した。また、当該領域に相当するRNAが、他の領域との相同性をもつかを検討した。acl2変異と酷似した表現型を示すsls1変異を相補する遺伝子との相互作用の解析を行ったところ、これらの遺伝子変異には相互作用を示さないことがわかった。
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