2005 Fiscal Year Annual Research Report
膜透過化細胞を用いたセントロメアクロマチン集合機構の解析
Project/Area Number |
17657004
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
深川 竜郎 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助教授 (60321600)
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Keywords | セントロメア / キネトコア / CENP-A / 染色体分配 / DT40細胞 / 膜透過化細胞 / ヒストンシャペロン / クロマチン |
Research Abstract |
染色体分配に必須の働きを担うセントロメア領域がいかにして決定されるのかについては、未知な点が数多くある。最近では、セントロメア形成には、必ずしもDNA一次配列情報が必要でなく、セントロメア特異的なヒストンであるCENP-Aがセントロメア特異的なクロマチン構造を形成して、それを複数のタンパク質が認識してセントロメアとして機能すると予想されている。この観点から、CENP-Aがいかにしてクロマチンへ取り込まれるかを解明することが、セントロメア形成機構を理解する上で最も重要なことであると考えられる。本研究では、CENP-Aのセントロメアクロマチンへの取込み活性の同定とその反応を司る分子実体の解明を、膜透過化細胞を用いて行った。ヒトHeLa細胞を用いてCENP-A供給用細胞と活性測定用細胞の2種類の細胞を用意した。CENP-A供給用細胞には、CMVプロモーターの下流にCENP-AとGFP融合遺伝子をつないだコンストラクトを導入しておく。この細胞をHeLa-CENP-A-GFP細胞と呼ぶ。この細胞から、細胞抽出液および、精製CENP-A-GFPを調製した。一方、活性測定用細胞は、界面活性剤で処理して細胞膜と核膜に穴をあけておく(膜透過化細胞)。HeLa-CENP-A-GFP細胞から調製した細胞抽出液および精製CENP-A-GFPを膜透過化細胞と一緒にインキュベートして、膜透過化細胞においてCENP-A-GFPがセントロメアへ取り込まれるかを解析した。その結果、CENP-Aは、ヒストン分子として核内クロマチンに取り込まれることは、確認できたが、セントロメア特異的に取り込まれる条件は得られなかった。今後は、抽出液の改良および、CENP-Aと直接的に結合するタンパク質の同定を平行して行い、セントロメア領域を決定する重要因子の同定を目指す。
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