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2005 Fiscal Year Annual Research Report

オオサンショウウオを使った陸水における環境変遷の復元

Research Project

Project/Area Number 17657010
Research InstitutionResearch Institute for Humanity and Nature

Principal Investigator

神松 幸弘  総合地球環境学研究所, 研究推進センター, 助手 (20370140)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 石井 励一郎  海洋開発研究機構, 地球フロンティア研究センター, 研究員
Keywords環境変動 / 近過去環境 / 両生類 / 環境復原 / 生物化学 / 骨髄年輪 / オオサンショウウオ / EPMA
Research Abstract

本研究は、オオサンショウウオを用いて湖底堆積物などにより行われている微量元素の分析による過去環境復原を目的としている。オオサンショウウオは100年近い長寿命を持っている。これまで流れがあるために堆積物がとどまらない河川では過去環境を推定するプロキシツールがなかったが、オオサンショウウオのわずかな肢指切片を化学分析することによって、およそ100年間の河川環境の変遷を復原できる可能性がある。平成17年度はまず特別天然記念物であり、種の保存法においても保護されている本種を分析するためにその標本試料の提供をしてもらえる研究者と組織のネットワーク作りおよび、得られた標本の分析手法の検討、試験的分析を行った。標本は姫路市立水族館に保管されていた天然個体の冷凍標本が入手できた。今後は年齢や飼育環境が把握できている完全飼育個体をもちいて、スタンダードの標本を作ることを進める。分析は前肢薬指の第一関節の骨髄の切片を作成し、これを用いた。電子顕微鏡写真からオオサンショウウオの骨髄辺縁の骨には縞状の模様が確認でき、これが年輪である可能性が示唆された。今後飼育個体やさまざまな体サイズの個体を分析することで確認する。電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いた骨髄切片の微量元素分析ではMg, Ca, Feなどは比較的検出力が高く、骨髄中心から辺縁に向けて分布の違いがみられた。一方、Sr, Pbなどの検出は悪かった。骨髄は魚類の耳石とは異なり新陳代謝が起ることから、骨髄中心部と辺縁部では物質の組成が置き換る時間にズレが生じていることが考えられ、このような分布の違いと時代ごとの環境を反映する効果と分離していくことが今後の課題であり、他の部位による更なる分析を進めることを検討している。

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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