2006 Fiscal Year Annual Research Report
生物界全般において多様性、系統分類や進化の評価に適用可能な分子マーカーの開発
Project/Area Number |
17657030
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡邉 和男 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 教授 (90291806)
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Keywords | 遺伝子 / 遺伝学 / 進化 / バイオテクノロジー / 核酸 / 多様性 / 絶滅危惧種 |
Research Abstract |
既存のゲノム研究モデル生物種からのデーターマイニングや機能ゲノム解析に基づき,生物種を答わずユニバーサルに種内遺伝的多様性、系統分類や進化について迅速かつ簡易に評価できる生物界全般に適用できるDNAマーカーの設計を行い、試用した。今年度は,多様性の測定について緊急性のある絶滅危惧種や損失危惧在来品種について試用検討を行うとともに、土壌微生物等への試験も行った。I)キンポウゲ科のミシマバイカモについては、遺伝子マーカーの適用は適正であったが,すでに多様性は失われていることがわかった。II)作物伝統的在来品種について,2件の例を試用した。ショウガ科については、同科のSSRマーカーがないため、単子葉植物の典型のイネのSSRを用いて,cross compatibilityを評価し,これらがRAPDマーカー的に使えることを見いだした。このようなマーカーと機能ゲノムベースのPBAマーカーで検出できる多様性の検討も行った。PBAマーカー等本研究自前のマーカーのほうが簡便迅速に多様性評価ができることが認められた。東南アジア在来のトマト品種についても迅速な多様性検定が,従来のSSRと比べてPBAで可能であることが認められた。これらの一部は論文発表される。III)土壌微生物メタゲノムについては、従来のrDNA領域ではなく,インタースペーサーを用いたRISAについて汎用性を確認し,多様性解析の適していることが認められた。IV)動物についても,メダカの多様性の評価は材料収集状況があるため、現在まだ進行中である。V)上記事例に基づき,遺伝的多様性を測定できる分子マーカー群の技術的確立と解析法のストラテジーのモデルを考案しつつある。これは、今後事例を多数作り一般化したい。VI)CBD-UNEPやIPGRI等国際機関の支援により、成果を遺伝資源の多様性解析と保全に利用を試みる連携をBioversity Internationalと始め,アフリカ等の稀少植物の評価を今後行う。2年間において、概ね当初目的は達成できたが、今後PBA等の簡易マーカーの汎用性について事例を構築したい。
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Research Products
(2 results)