2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17657040
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Research Institution | Miyagi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
島 礼 宮城県立がんセンター(研究所), 薬物療法学部, 部長 (10196462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 九二三 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20006117)
田沼 延公 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (40333645)
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Keywords | PP1 / PP2A / pp32 / NIPP1 / クロマチンリモデリング活性 / 翻訳 / mRNA / 結合蛋白 |
Research Abstract |
1.pp32の遺伝子発現への影響 pp32は、セリン・スレオニンプロテインボスファターゼ2型(PP2A)の阻害蛋白として同定されたタンパクであるが、近年、クロマチンリモデリング活性を介して遺伝子発現調節をする因子としての機能を持つことが示唆された。 我々は、PP32がRaf/MEK/ERK経路に対して、促進的にではなくむしろ抑制的に働くことを明らかにした。このことは、細胞内においては、クロマチンリモデリング活性もしくはINHAT活性により、ある種の遺伝子発現を調節し、結果としてRaf/MEK/ERKの活性化を抑制することを意味した。 2.NIPP-1のmRNA翻訳効率への影響 ・NIPP-1を細胞内に発現させたところ、核内においてspeckle様の局在を示したため、遺伝子発現の制御に関与すると考えられた。 ・遺伝子発現への影響を解析したところ、核蛋白であるNIPP-1が、細胞質イベントである翻訳を制御していることが明らかとなった。 ・制御機構を明らかにするために、イースト2ハイブリッド法によるNIPP1の結合蛋白の探索を行った。 その結果UPF1が同定された。UPF1との結合部位を欠いた変異型NIPP1を細胞に発現させたところ、転写およびスプライシングが抑制され、細胞が死滅したことから、この変異体がドミナントネガティブに作用したものと考えた。 ・以上のNIPP1の機能には、PP1との結合が必須であった。 これらをまとめると、UPF1との結合を介してNIPP1はPP1をmRNA-蛋白複合体へリクルートされ、PP1により翻訳に重要な蛋白の脱リン酸化をしていることが考えられた。
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Research Products
(4 results)