2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17657048
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Research Institution | Mitsubishi Kagaku Institute of Life Sciences |
Principal Investigator |
佐藤 利行 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門, 特別研究員 (10350430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 聡 株式会社三菱化学生命科学研究所, 主任研究員 (60280575)
蟹江 治 株式会社三菱化学生命科学研究所, 主任研究員 (90291062)
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Keywords | ゴルジ体 / 膜タンパク質 / 糖修飾 |
Research Abstract |
細胞の表層蛋白質は糖鎖が付加した糖蛋白質の形で正しく機能するため、糖蛋白質の機能や活性を試験管内で測定するには、合成した蛋白質に正しい糖鎖を付加する必要がある。そのためには、「膜蛋白質である糖転移酵素を全長の蛋白質として発現させる技術」、「糖転移解素を正しい順序で反応させる技術」の確立が不可欠である。 本年度は、試験管内で任意の蛋白質に対して正しく糖鎖付加を行うことを目的として、endogeneousな糖転移酵素遺伝子を破壊した酵母Saccharomyces cerevisiaeより抽出した小胞体およびゴルジ体を利用し、膜上での連続的な糖転移反応が実現可能かどうかを検証した。 糖鎖付加の標的蛋白質をインベルターゼ(Suc2)とした。Suc2遺伝子(suc2)の終止コドンの直前に、小胞体残留シグナル(-KDEL)およびインフルエンザウィルス由来のヘマグルチニン(-HA)をコードするヌクレオチドを付与したプラスミドを構築した。N型糖鎖を合成する糖転移酵素の1つ、Anp1遺伝子(anp1)を破壊したS.cerevisiaeを、先に作製したプラスミドを用いて形質転換し、相同組換えによりsuc2を高発現可能なanp1破壊株を作製、その破壊株をYPD培地で培養して、小胞体を抽出する方法を確立した。抽出した小胞体には、N型糖鎖が通常より短く付加されたSuc2が存在することを確認した。 同様にして、親株より抽出したゴルジ体および可溶性画分を用いて、in vitroにおけるSuc2の糖修飾を試みた。その結果、小胞体からゴルジ体へとSuc2が小胞輸送され、ゴルジ体に局在する糖転移酵素による反応で、さらなる糖修飾を受けたことを確認した。
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