2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17657052
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小田 紀子 立命館大学, COE推進機構, 教授 (90373092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 知子 立命館大学, 生理学研究所, 助教授 (00280587)
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Keywords | 神経科学 / 生理学 / 生物物理 / 赤外・遠赤外 / 放射光 |
Research Abstract |
温度受容体タンパクTRPVファミリーのうち、体温に近い閾値を持つTRPV3とTRPV4は皮膚に発現していることが報告されている。これまでわれわれは、TRPVファミリーが外界の輻射熱の感知と体温制御にかかわっているか否かを、動物個体を用いて検討し、皮膚温度が43℃以下というきわめてマイルドな赤外レーザー照射刺激に対しても、TPRV4の欠損により体温制御が損なわれることを見出し、皮膚のTRPV4から中枢へ輻射熱情報が伝達されることが示唆された。 本年度は、輻射熱受容の分子メカニズムを細胞レベルで検討するため、皮膚のケラチノサイト由来のM308細胞と、NG108-15(ニューロブラストーマ・グリオーマ・ハイブリッド)を用い、温度刺激に対する細胞内Ca^<2+>の変化とTRPV3およびTRPV4タンパクの細胞内発現を検討した。 TRPV3およびTRPV4のポリクローナル抗体による免疫染色では、M308細胞では細胞質にTRPV3とTRPV4の陽性所見が認められた。TRPV3は核の周囲の細胞質に、TRPV4は細胞辺縁部にやや強い陽性が認められたほか、核にも陽性が認められた。NG108-15細胞ではTRPV3、TRPV4ともに核に強い陽性所見があり、細胞質には特異的染色が認められなかった。 次に外液温度を32℃から38℃に上げる2分問のパルス刺激を行ったところNG108-15細胞は、細胞内Ca^<2+>濃度の緩やかな一過的増加を示した。M308細胞も細胞内Ca^<2+>の増加を示したが、そのパターン(応答速度、増加量)は細胞ごとにばらつきが見られた。今後受容体サブタイプの発現とCa^<2+>応答との関連、TRPV以外の因子の関与を検討するとともに、赤外線を温刺激として用いる実験系を構成する。
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Research Products
(4 results)