2005 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物における受精点と胚発生第一分裂面の位置関係
Project/Area Number |
17657075
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岡本 龍史 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 助教授 (50285095)
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Keywords | 卵細胞 / 精細胞 / 受精点 / 細胞分裂面 / 胚発生 |
Research Abstract |
ほぼ全ての被子植物の受精卵は、細胞質に富んだ小さな頂端細胞(apical cell)と液胞が発達した大きな基部細胞(basal cell)よりなる2細胞胚へと不等分裂し、その後、頂端細胞は胚領域に基部細胞は胚柄へとそれぞれ発達する。このことから高等植物の受精卵は極性をもち、かつ、その胚発生第一分裂は植物の軸形成の最初のステップであると考えられている。しかしながら、この受精卵の極性形成および胚発生第一分裂の過程を生きた細胞・胚を使って経時的に観察した例はなく、これら過程と受精点との関係は未だに未知のままである。一方、脊椎動物のカエルや脊索動物のホヤの受精系を用いた研究では、精子と卵が融合する点(受精点)が受精卵の極性形成時に位置情報として働いていることが示されている。本研究は、高等植物の受精点と受精卵の不等分裂面の位置関係をin vitro受精法を用いて詳細に観察し、高等植物の初期胚発生機構に関する基礎的な知見を得ることを目的として遂行された。今年度は、トウモロコシin vitro受精系に加え、モデル植物であるイネの配偶子細胞を用いたin vitro受精系の確立を試みた。その結果、イネ卵細胞・精細胞の単離、配偶視細胞の電気的融合(受精)、および受精卵の球状胚までの培養系の確立に成功した。さらに、イネ受精卵は不等分裂ではなく等分裂により2細胞胚を形成することが明らかにされた。来年度は、これら2つのin vitro受精系を用いて受精点と受精卵の分裂面の位置関係を決定し、受精卵の不等分・不等裂機構の解明および比較をおこなう。
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Research Products
(5 results)