2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17657076
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
佐々木 尚子 甲南大学, 先端生命工学研究所, 博士研究員 (10388762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西方 敬人 甲南大学, 理工学部, 助教授 (80212116)
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Keywords | 発生・分化 / 細胞組織 / ホヤ / 培養細胞 / 血球細胞 / 心臓 |
Research Abstract |
まずカタユウレイボヤの培養細胞株を樹立するために、高知大学の川村和夫教授のご指導をあおいだ。川村教授は、群体ボヤから培養細胞株を樹立され、様々な実験に利用されている。成体の組織の中でも雑菌や原生動物の汚染が少なく、細胞を無菌的に取り出しやすいとされている囲心腔の取り出し方、ホヤの細胞に最適な培養液、ホヤ特有の培養条件、最適なクローニング条件などをご教授いただいた。その囲心腔での手法をもとにして、神経節や卵巣でも培養を試みた。さらに、心臓から血球細胞と思われる細胞を取り出し、培養を試みた。培養方法についても、よりカタユウレイボヤに最適な培養条件を見つけるために、培地の組成、bFGFなどの成長因子の添加等も試みた。その結果、囲心腔から遊出した細胞、血球細胞の2種類から増殖の見られる細胞集団が得られた。そこで、カタユウレイボヤ由来の細胞集団であるか確認するために、ゲノムを抽出し、いくつかのカタユウレイボヤに特異的な配列をPCRで増幅し、電気泳動で調べた。得られた増殖可能な細胞集団は、どれも予想される位置にバンドが検出されたことから、これらはカタユウレイボヤ由来の細胞集団であると期待された。そこで現在、これら細胞集団をクローニングするために、メチルセルロース軟寒天培地内コロニー形成法にてクローニングをおこなっている。 今後は、クローニングされてきた細胞をもとに、形態的特徴や発現されているマーカー遺伝子を調べ、その細胞のキャラクタライゼーションをおこない、ホヤ細胞株として樹立する。さらに、樹立した細胞株が遺伝子機能解析の有用な実験系となることを示すために、遺伝子導入方法の検討や発現に適したベクター系の開発をおこなっていく。
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Research Products
(3 results)