2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17657078
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
福原 敏行 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (90228924)
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Keywords | 2本鎖 / プラスミド / レプリコン / Endornavirus / Alternalia alternata / RNA依存RNA合成酵素 / 紫紋羽病菌 |
Research Abstract |
種々の植物には、宿主植物に対して病徴を示さず、宿主細胞に一定量存在し、垂直(種子)伝播するといったプラスミド様の性質の自己複製する2本鎖RNAレプリコンが存在する。さらに、菌類、原生生物、昆虫からも、同様な性質を示す2本鎖RNAが検出される。我々は、イネより検出される約14kbpのプラスミド様2本鎖RNAレプリコンが、新たなウイルス(Endornavirus)に分類されることを示した。本研究では、植物病原菌である紫紋羽病菌(Helicobasidium monpa)からも約15kbpの高分子2本鎖RNAが検出され、この2本鎖RNAの部分塩基配列を決定したところ植物のEndornavirusと近縁であることが示された。これらの結果から、高分子プラスミド様2本鎖RNAレプリコン(Endornavirus)は、植物のみならず菌類にも分布し、菌類が媒介し広範囲の植物に分布した可能性が示唆された。また、植物病原菌Alternalia alternataから検出される2本鎖RNAについてもcDNAクローニングおよび塩基配列解析を進めた結果、この2本鎖RNAは、プラスミド様の性質を示す2本鎖RNAウイルスであるTotivirusのRNA依存RNA合成酵素(複製酵素)に相同性を示すタンパク質をコードするが、その相同性は低く、新規なRNAウイルスに分類されうる可能性を示した。さらに、プラスミド様2本鎖RNAレプリコンが広い範囲の生物に分布する普遍的なRNAレプリコンであることを示すために、昆虫(アリ)に存在する2本鎖RNAの単離とcDNAクローニング、および哺乳類細胞(ヒト培養細胞)からの2本鎖RNAの検出を試みた。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The wide distribution of endornaviruses, large double-stranded RNA replicons with plasmid-like properties.
Author(s)
Fukuhara T., Koga R., Aoki N., Yuki C., Yamamoto N., Oyama N., Udagawa T., Horiuchi H., Miyazaki S., Higashi Y., Takeshita M., Ikeda K., Arakawa M., Matsumoto N., Moriyama H.
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Journal Title
Archives of Virology (in press)
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