2005 Fiscal Year Annual Research Report
組織特異性を決める遺伝子発現調節領域の進化メカニズム解析と人工合成による検証
Project/Area Number |
17657079
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
斎藤 成也 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (30192587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅山 健太 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助手 (00370114)
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Keywords | cis-element / Ultra conserve delement / 超低頻度モチーフ / エンハンサー / トランスジェニックマウス / ゲノム / 発現制御 / 進化 |
Research Abstract |
1)コンピュータ解析による新規機能モチーフの検索を行った。従来の方法論とはまったく異なる方法でモチーフを探索し、その結果を、進化的保存領域や機能既知の非コードゲノム領域などに基づく従来の結果と組み合わせることで新しい機能モヂュールの推定を行うことを目標としてきた。具体的には、まず最初に全ゲノム配列がわかっている生物種において、ゲノム全体を特定の長さのモチーフに切断し、そのモチーフの出現頻度を調べた。高度反復配列に含まれるモチーフや、機能の無いモチーフはゲノム中に多く見出されることが期待されるが、特定の重要な機能に結びつく配列の出現頻度は厳しく制限を受けている可能性が高い。解析の結果、期待値よりもはるかに少ないモチーフ(超低頻度モチーフ)が多数見出された。これらの中には哺乳類のどの種でも一様に頻度が低いものが多数ある。ゲノム上の位置も種間で保存しているかどうか、あるいはこの領域がいわゆるUltra Conserved Regionと呼ばれる種間高度保存領域の中に存在するかどうかを現在網羅的に調査中である。これらのモチーフの集合体(モヂュール)を推定し、この領域をトランスジェニックマウスで機能解析する準備を進めているところである。2)トランスジェニックマウスを使った機能解析を行うため、機能領域候補のひとつをレポーター遺伝子に組み込んで発現解析を試験的に行った。この領域は種間高度保存領域であったが、そのエンハンサーエレメントとしての昨日を調べたところ、近傍転写制御遺伝子の発現パターンときわめて類似した性質を示した。これから同様の機能解析を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)