2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型に着目した島嶼地域における動脈硬化の生理的多型性の解明
Project/Area Number |
17657084
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
前田 隆浩 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (40284674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 昇 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (30295068)
草野 洋介 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 教授 (70325637)
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Keywords | ホモシステイン / メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素 / 遺伝子多型 / コレステリールエステル移送蛋白 / 動脈硬化 / 生理的多型性 / 島嶼 |
Research Abstract |
1.島嶼地区におけるサンプル収集 文書による同意を得た上で、大離島の福江島で1,139件、その周辺小離島の嵯峨島、椛島、黄島で160件のサンプルを収集した。アンケート結果、身体測定値、Cardio Ankle Vascular Index、頚動脈の内中膜複合体厚、一般血液検査値はデータベース化し、血液は血球成分と血清、血漿に分離して-30℃で凍結保存した。 2.サンプル測定と解析 血中ホモシステイン濃度は高速液体クロマトグラフィーにより測定した。また、ホモシステイン代謝に関与するMTHFR(Metylene-Tetra-Hydro-Folate-Reductase)遺伝子の変異(C667T)について解析を行った。この結果、MTHFR遺伝子変異(CC/CT/TT)については福江島と小離島間に差がなかったものの、血中ホモシステイン濃度については福江島(8.4±3.7μM)と小離島(11.7±6.5μM)間に有意差(p<0.001)を認めた。MTHFR遺伝子多型間での解析では、福江島(CC/CT/TT:8.0±2.5μM/8.5±4.4μM/10.4±4.0μM)と小離島(CC/CT/TT:10.5±3.8μM/11.0±3.7μM/19.1±14.5μM)のそれぞれで、CCとTT間(福江島p<0.001、小離島p<0.01)、CTとTT間(福江島p<0.005、小離島p<0.01)に有意差を認めている。また、同じMTHFR遺伝子多型間における血中ホモシステイン濃度を比較してみると、福江島に比べて小離島が有意に高値であった(CC:p<0.001、CT:p<0.001、TT:p<0.01)。 血清CETPに関しては、HDLコレステロールの正常値70mg/dlを超えるサンプルについて測定を行った。この結果2検体で低値であることが判明し、現在CETP遺伝子変異についての解析を進めている。
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