2005 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズの高α-トコフェロール化遺伝子の同定と作用機序の解明
Project/Area Number |
17658001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜多村 啓介 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50111240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 哲也 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70374618)
石本 政男 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 北海道農業研究センター, 室長 (20355134)
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Keywords | ダイズ / α-トコフェロール / 遺伝子 / 作用機序 |
Research Abstract |
高α-トコフェロール(Toc)品「Keszthelyi A.S.」×「いちひめ」のF_2半粒種子由来のF_2個体の成葉からDNAを抽出し、座上位置力既知のSSRマーカーを用いてその遺伝子型を決定した。α-Toc含有率が高いF_2種子由来の20個体と低い20個体のSSRマーカー遺伝子型の分離をx^2検定し、いちひめ:ヘテロ: Keszthelyi A.S.(1:2:1)の分離との適合を検定した。その結果、Sat_243とSat_167(連鎖群K)の遺伝子型にα-Toc含有率との強い連鎖を認めた。また,F_2種子およびF_2個体(F_3種子をバルクで分析)のα-Toc含有率とγ-Toc含有率の問に高い負の相関を認め,Keszthelyi A.S.の高α-Toc形質にはγ-Tocをα-Tocに変換するγ-Tocopherol methyltransferase (γ-TMT)が関与することが示唆された。 次に,高α-Toc化遺伝子を同定し,その作用機序を解明するために,トコフェロール生合成関連遺伝子のクローニングを行った。すなわち,Homogentisate phytyltransferase (HPT),2-Methyl-6-phytyl-1,4-benzoquinol methyltransferase (MPBQMT), Tocopherol cyclase (Tc),およびγ-TMTの4種の酵素遺伝子について,既存のダイズ,イネ,シロイヌナズナのESTおよびゲノムデータベースを参考にプライマーを作製し,ダイズTACライブラリーからPCRにより上記4酵素遺伝子を含むと推定されるクローンを単離した。 上記4酵素遺伝子のうち,特にα-Tocの生合成に深く関与すると考えられるγ-TMTについて解析を進め,3つのTACクローンを整列化した。γ-TMTのcDNAをプローブにしてこれらのTACクローンのサザン解析を行うことにより,γ-TMT遺伝子が2コピー(γ-TMT1,γ-TMT2)存在することを明らかにした。現在,これらのゲノム配列をもとにα-Toc含量の高い変異品種と普通品種からこの領域を増幅し,品種間の多型性を調査している。また,登熟種子の全RNAからRT-PCRでγ-TMTのcDNAの部分配列を増幅し,3種類の配列を得た。このうち,2種類の増幅産物の配列はそれぞれ上記のγ-TMT1,γ-TMT2の配列と一致した。現在,α-Toc含量の高い変異品種と普通品種とを比較しながら開花後の日数ごとの各ステージでの発現解析を進めている。
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Research Products
(1 results)