2005 Fiscal Year Annual Research Report
イネの胚・胚乳特異的なDNAメチル化およびゲノムインプリンティングに関する研究
Project/Area Number |
17658004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中園 幹生 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70282697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 伸浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00202185)
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Keywords | イネ / DNAメチル化 / レーザーマイクロダイセクション / ゲノムインプリンティング |
Research Abstract |
植物が有性生殖を行う際、特定の遺伝子が父親由来か母親由来かにより、その発現が異なる現象が知られており、ゲノムインプリンティングとよばれている。しかし、現在のところ植物でインプリンティングされることが明らかになっている遺伝子数が少ないため、ゲノムインプリンティングの意義について十分に理解されていない。シロイヌナズナの胚乳発生過程では、インプリンティングを受けるいくつかの遺伝子が胚乳の発達に重要な機能を果たし、そのゲノムインプリンティングの制御にDNAメチル化が関与していることが示唆されている。そこで本研究では、モデル植物でかつ重要な作物であるイネを用いて、胚発生および胚乳発生過程でインプリンティングされる遺伝子を同定し、ゲノムインプリンティングの機構や意義について理解を深める。さらに、ゲノムインプリンティングを受ける遺伝子がイネの胚・胚乳の発達にどのように関与するかについても調査する。 今年度は、ゲノムインプリンティングを受ける遺伝子を含むゲノム領域は胚と胚乳でDNAメチル化のパターンが異なることに着目し、パターンの異なる配列の単離・同定を試みた。まず、イネの受精後の穎花を単離・固定し、パラフィン包埋切片を調製した。切片厚10〜20口mの切片をLeica社のLMD装置にセットし、胚と胚乳をそれぞれ単離しようと試みたが、DNA抽出がうまくいかず、DNAを全く得ることができなかった。植物からLMDを行い、DNAを単離した報告がないので、DNA抽出の条件検討が必要であると思われた。そこで、来年度は上記の実験を再挑戦するのと同時に、芽生え等の繰り返し条件検討ができる試料を用い、DNA抽出系を確立する。
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Research Products
(6 results)