2007 Fiscal Year Annual Research Report
イネ葯四分子細胞カロース膜の冷温障害発生機構に関わる役割の解明
Project/Area Number |
17658010
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
小池 説夫 National Agricultural Research Organization, 東北農業研究センター・やませ気象変動研究チーム, 上席研究員 (60355279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 高見 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 主任研究員 (00355281)
山口 知哉 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 主任研究員 (10355282)
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Keywords | 冷温障害 / 花粉形成 / 四分子細胞外膜 / カロース膜 / イネ / オオムギ / アニリンブルー |
Research Abstract |
イネ穂ばらみ期冷温障害は、四分子細胞から小胞子が遊離する小胞子初期に冷温感受性が最も高くなる時期に生ずる。この最高冷温感受性期の四分子細胞外膜のカロースの機能を解析することを目的としている。 (1)イネとオオムギの四分子細胞外膜のカロース膜の厚さには違いがあり、イネの四分子細胞を囲むカロース膜は薄く、穂ばらみ期耐冷性がイネに比べて数段高いオオムギのカロース膜は厚い。四分子細胞外膜カロース膜をアニリンブルーにより染色したのち蛍光顕微鏡で確認した。蛍光顕微鏡像のカロース膜の蛍光強度については画像処理(J-Image)により計測する方法を試みた。葯全体での蛍光強度の測定は困難だったが、遊離細胞のカロース膜については定量化が可能と判断された(研究代表者小池説夫)。 (2)テッポウユリ葯腔液から単離・調整した四分子細胞カロース膜の熱及び酵素分解によりグルコースの生成が確認され、溶液の浸透圧の上昇の根拠が明らかとなった(研究分担者林高見)。 (3)イネの四分子細胞カロース膜の形態変化を解析するために、カロース膜の厚さを変化させる可能性があるカロース合成関与調節遺伝子Rop4をオオムギから得てユビキチンプロモーターに連結しイネに導入した形質転換後代(T2及びT3世代)を育成した。現在までの転換体の中には四分子細胞カロース膜の肥厚した系統は見つかっていないので、さらに個体数を増やして解析している(研究分担者山口知哉)。
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Research Products
(5 results)