2007 Fiscal Year Annual Research Report
アロマコロジー効果の高い有用鉢物花卉の作出とその利用
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17658013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 孝洋 Kyoto University, 農学研究科, 准教授 (40173009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 康生 京都大学, 農学研究科, 教授 (50181756)
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Keywords | アロマコロジー / 官能試験 / ミント / ラベンダー / NIRS / 脳血流 / ストレス / 精油 |
Research Abstract |
最終年度として,アロマコロジー効果について再現性の高い評価法を検討した.人を対象とした官能試験では,性別,年齢,体質,香りに対する経験,情動など複雑な生物的要因が影響する.こうした要因を考慮した上で,再現性の高い心理指標と生理指標を明らかにしなければならない.実験にはスペアミントとラベンダーの精油,生葉および花序を用いた.得られた知見は以下のとおりであった. 1.精油の希釈溶媒について:精油を経皮で使用する場合の希釈溶媒と異なり,鼻から香りとして嗅がせる場合は溶媒の選択が重要であると考えられた.無香で,精油成分の自然な揮発を妨げないものとして,「両親媒性のプロピレングリコール少量に溶解した後,純水で希釈する方法」が適当と考えられた. 2.脳血流量変化の測定:NIRS(Near Infra-Red Spectroscopy)法により脳血流量の変化を測定した.市販の2機種を用いた.頭皮を含む多点測定は有用と考えられたが,センサー装着に時間がかかること,装着具による頭部の締めつけ,毛髪によるノイズが技術的課題として残った.香気吸引による脳血流の変化は額に2点張り付けたセンサーでとらえることができた. 3.ストレス負荷処理とラベンダー精油香気の影響:『陰山メソッド百ます計算』をストレス負荷とした.「安静1分-負荷5分-安静1分-吸引5分-安静5分」の条件で脳血流の変化を測定した.前頭部(額)の脳血流は,ストレス負荷により増加し,ラベンダー精油の香り呈示により減少した. 4.測定中の情動の影響:口頭でのアンケートにより,前頭部(額)の脳血流は被験者の情動によっても変化することが明らかになった.高強度の香りによる「不快感」や何か他のことを考えることによる影響が認められた.測定中は何も考えないように被験者に指示するなど,被験者の情動を激しく変化させない方法を検討すす必要がある.
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Research Products
(2 results)