2006 Fiscal Year Annual Research Report
園芸植物を用いた花粉管経由法による遺伝子導入システムの検討
Project/Area Number |
17658016
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
入船 浩平 県立広島大学, 生命環境学部, 教授 (10184847)
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Keywords | 遺伝子 / 園芸学 / 園芸植物 / 遺伝子導入法 / 花粉管 |
Research Abstract |
目的:Pollen-Tube Pathway(以下PTP)法は、授粉後の花柱を切断し、切断面にDNAを塗布して組換え種子を得る簡便な遺伝子組換え手法であるが、成功例は少なく、効率や遺伝性など十分な検証が試みられていない。本研究は、PTP法を園芸植物に適用し、組換え体獲得とその効率および効率にかかわる要因を解析することを目的とした。 材料及び方法:材料には、自家受精で多産種子性の園芸種を分類体系が多岐にわたるよう数十種(パンジー、ペチュニア、アサガオ、ルコウソウ、ウオールフラワー、イソトマ、エリシマム、オシロイバナなど)を選定した。方法は、人工授粉後、供試花の花柱の長さに応じて数時間ごとに花柱を切断し、マーカー遺伝子(GUS)を持つプラスミドpBI221を切断面へ一定量(0.5μl〜1.0μl(50ng/μl DNA))塗布した。処理後、人工環境下で植物を育成させ、これらの種子を得た。得られた種子を用いてGUS assayを行った。また、受粉後から受精に要する時間と塗布するDNA濃度、組成が考えられたためこれらの検討も併せて行った。 結果及び考察:パンジーでは、受粉後2-16時間後まで処理を行い、時間経過と共に13%から65%へと種子着粒率が上昇した。ペチュニアでは、受粉後2〜16時間後処理では、0%で、24時間後で47%、32、48時間後でそれぞれ88、89%と、24時間を境に明確な受精に要するとされる時間帯が得られた。一方、アサガオ、ルコウソウでは、受粉後2時間以前に高着粒率を示し、この時間内での受精が示唆されるなど、植物種ごとのPTP処理最適時間を得た。各処理時間区から得られた種子を発芽させ、パンジー、アサガオ、ルコウソウ、ペチュニア、エリシマム、イソトマ、オシロイバナのそれぞれ、2110、538、150、733、813、472、281個体を子葉展開時にGUS assayした。このうち、ベチュニア3個体、イソトマ4個体に部分的にGUSの発現が認められる個体を得、PTP法による組換え体獲得の可能性が示唆された.それら以外の個体ではGUS遺伝子の発現は確認されなかった。
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Research Products
(2 results)