2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物DNAウイルスの感染に関わるウイルスおよび宿主植物因子の解析
Project/Area Number |
17658020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇垣 正志 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20323438)
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Keywords | ジェミニウイルス / ソイモウイルス / DNAウイルス |
Research Abstract |
環状1本鎖DNAをゲノムとするジェミニウイルス科ウイルスの感染に関わるウイルス因子および植物宿主因子の解析を目的として研究を行った。ジェミニウイルス科ウイルスではウイルス粒子を形成する外被タンパク質(CP)が感染に必須である。外被タンパク質はウイルスが植物細胞に感染した時点で存在する唯一のウイルスタンパク質であることから、ウイルスゲノムDNAの核移行に関与すると予測し、ジェミニウイルス科クルトウイルス属のBeet severe curly top virus(BSCTV)のCP遺伝子とレポーター(GFP)遺伝子の融合遺伝子を作成し、植物の表皮細胞にパーティクルボンバードメント法により導入して一過的に発現させたところ、GFPの蛍光が核内でのみ検出されたことから、CPに核移行能があることが明らかになった。さらに、CPをN末端を含む領域(CP-N)、C末端を含む領域(CP-C)および中央領域(CP-M)の3つの部分に分けて考え、それぞれの部分の核移行能を同様に解析したところ、CP-NおよびCP-Cに核移行能があった。CPのアミノ酸配列を調べたところ、CP-NおよびCP-Cに核移行シグナル(NLS)と思われる配列が見られた。そこで、核移行の機構として宿主植物のimportin alphaとの相互作用を想定し、CP全長およびCPの各部分と、BSCTVの宿主植物であるシロイヌナズナのimportin alphaとの相互作用を酵母ツーハイブリッド法により解析したところ、CP、CP-NおよびCP-Cが酵母細胞内でimportin alphaと相互作用した。以上より、BSCTVのCPは宿主のimportin alphaを介した機構により核内に移行することが明らかになった。さらに、他のウイルスタンパク質についても、酵母ツーハイブリッド法を用いて宿主因子の探索を行った。
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