2005 Fiscal Year Annual Research Report
GGYGG構造を標的とする新規タンパク質架橋方法の開発
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17658026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 晴彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40183933)
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Keywords | 昆虫 / 表皮タンパク質 / GGYGG構造 / タンパク質架橋 / チロシナーゼ / 発現タブ / 新規タンパク質 / プロテインチップ |
Research Abstract |
我々は、カイコの皮膚タンパク質GCP1の中に特徴的なGGYGG構造がタンパク質の架橋に関わることを見出した。今年度は、このGGYGG構造を利用したベクターを構築するとともに、GGYGGタグをN末とC末につけたタンパク質の架橋の効率を比較した。 (1)N末端・C末端GGYGGタグベクターの構築と架橋解析 pET発現ベクターにBFPタンパク質を組み込み、そのN末端部にGGYGGを3-4回繰り返したポリペプチド(GGYGGタグ)領域を結合させた改良型発現ベクターを構築した。大腸菌で発現・精製したGGYGGタグつきBFPを回収し、チロシナーゼを作用させたところ、CBB染色法、BFPによる蛍光発色いずれにおいても、元の分子量2倍から3倍の架橋産物が確認された。GGYGGタグをつけていないBFPにおいては架橋は全く見られないことから、このタグを用いることによりあらゆるタンパク質の架橋が可能となる見通しがついた。N末とC末の間の架橋効率に大きな差はなかった。 (2)GGYGG類縁配列ベクターの構築 多くの硬いタンパク質中にはGGYGGとは若干異なる構造の反復配列が多数見られヒトの細胞質ケラチンCK9に含まれるGSYGG、カイコ絹糸のフィブロインH鎖に含まれるAGYGA、カイココリオンタンパク質AL11に含まれるGGYGLなどの配列をGGYGGタグの代わりにベクターに組み込んだコンストラクトを作成した。
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