2006 Fiscal Year Annual Research Report
核染色による絶対寄生性土壌病害菌の発芽検定法の確立と発芽誘引シグナルの探索
Project/Area Number |
17658031
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
江澤 辰広 北海道大学, 大学院農学研究院, 助教授 (40273213)
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Keywords | 根こぶ病 / アブラナ科 / 原生生物 / 土壌病害 / 発芽 / 核染色 / 休眠胞子 / バイオアッセイ |
Research Abstract |
絶対寄生性の土壌病害菌であるアブラナ科根こぶ病菌の感染機構と有機物連用による発病抑制メカニズムを明らかにする目的で、土壌中での休眠胞子の動態解析と分子生態解析のためのマーカー探索を行っている。 1.二重染色法による休眠胞子の根圏での動態解析 細胞壁を特異的に染色するFluorescent Brightner 28と核染色色素であるSYT082 Orange Fluorescent Nucleic Acid Stainsを用いて、核及び細胞壁の二重染色を行い、根こぶ病菌胞子の全数と発芽率(核喪失胞子の割合)を同時に測定できる実験系を確立した。本方法により(1)根圏での休眠胞子の核喪失(発芽)率と寄主への根毛感染数との間には有意な相関があること、(2)土壌酸性をCaCO_3で中和する、あるいはCa含量の高い堆肥を土壌に混和すると、寄主根圏における胞子の発芽率が有意に低下し、それに続く根毛感染が有意に減少することを明らかにした。これらの結果から、有機物連用による根こぶ病の抑止の主要な要因は、土壌pHの上昇による根圏での休眠胞子の発芽抑制であると結論された。 2.分子生態解析 従来、検定植物への接種試験により行われていた根こぶ病菌のレース識別を分子マーカーを用いて簡便に行う方法を確立するために、名古屋大学より分離されたNGY03株のリボソームRNA遺伝子(rDNA)転写ユニットの全塩基配列9.5kbpを決定すると共に、RT-PCRによりrRNAの配列を決定することにより、イントロンの挿入位置を特定した。この情報を基にHiroshimaおよびHagi00株の28SrDNAの配列を決定したところ、これらの株にはNGY03株に存在しないイントロンが挿入されており、そのイントロンの塩基配列をマーカーとしてレース識別ができる可能性が考えられた。
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