2005 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体-メタゲノムテクノロジーの融合による新規有用遺伝子の探索と利用
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17658038
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中島 敏明 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (80241777)
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Keywords | メタゲノムスクリーニング / メタン酸化細菌 / メタンモノオキシゲナーゼ |
Research Abstract |
土壌1グラム中には10^8の微生物がいるといわれているが、実は人間の手で培養可能な微生物はその数%に過ぎない。近年「メタ(超)ゲノム」スクリーニングと呼ばれる新たな概念と手法が広まりつつある。古典的なスクリーニングでは通常微生物を探すが、この方法では土壌より直接DNAを抽出し(メタゲノム)、これを大腸菌に組み込んで発現させ、この大腸菌に対してスクリーニングを行う。この方法によって、培養不可能な微生物由来の有用酵素遺伝子を直接得ることができる 本研究では培養不可能な微生物からの有用遺伝子を、メタゲノムスクリーニングに安定同位体を組み合わせることにより効率的に取得することを目的としている。ターゲットとする酵素には、産業上有用な酵素ではあるが大腸菌での遺伝子発現が困難であるため、遺伝子改変や大量発現等の実用化プロセスに移行できない可溶性メタンモノオキシゲナーゼ(sMMO)を取り上げた。 メタン資化生菌のDNAのみを^<13>Cに置き換えることを目的に、各種土壌サンプルを^<13>Cでラベルしたメタン存在下に暴露し、最適な結果を得るためのメタン濃度、暴露期間についての検討を行った。ここから全DNAを抽出し、超遠心により^<13>C-DNAを選択的に回収して、メタン資化性菌のみからなるメタゲノムライブラリーを構築した。本ライブラリから16SrDNAを増幅し、クローン解析を行った結果、未知の新規メタン資化性菌が多数含まれていることを確認した。次にここからスクリーニングに十分な長さの遺伝子断片を回収し、大腸菌に導入するための基本技術を確立した。また、またゲノムライブラリから当該遺伝子を含むクローンを効率的に検出する手法を検討した。
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