2005 Fiscal Year Annual Research Report
休眠遺伝子の強制発現システムによる糸状菌からの新規生理活性物質の探索
Project/Area Number |
17658042
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仁平 卓也 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (70144441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 浩 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助手 (20294035)
木谷 茂 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助手 (10379117)
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Keywords | 生理活性物質 / 昆虫病原性糸状菌 / 休眠遺伝子 |
Research Abstract |
近年のゲノム解析の結果、糸状菌はそのゲノム中に未同定の二次代謝産物生合成遺伝子を多数有していることが明らかとなり、有用生理活性物質の有望な生物資源とみなされている。しかし、それら生合成遺伝子の発現は生育環境に強く依存することから、通常用いられている培養条件では誘導発現されず眠ったままであると考えられる。本研究は休眠状態にある有用生理活性物質生合成遺伝子を強制発現させることにより、通常の培養方法では未開拓の遺伝子資源を有効に利用しようとするものである。 本研究では遺伝子資源として昆虫病原性糸状菌を用いることにした。昆虫病原性糸状菌は昆虫に侵入・感染し、ついにはその宿主を死に至らしめるが、その過程において、昆虫が有する免疫系に対抗すべく、様々な二次代謝産物を生産しているものと考えられる。また、宿主を殺すための種々の毒素を生産することも明らかになっている。 本研究ではまず、昆虫病原性糸状菌約50種類について通常の培養条件下での生理活性物質生産状況をStaphylococcus aureus、Bacillus subtilis、Saccharomyces cerevisiaeの三種類の被験菌を用いて解析し、生産プロファイルを作成した。その結果、通常の培養条件下で全く抗菌物質を産生しない7菌株を選抜することが出来た。次に、これらの菌株に強制発現プロモーターを導入する際に、必須となるAgrobacteriumを用いた形質転換系について、形質転換体を構築することを試みた。現在、形質転換体候補株の解析を行っている。
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Research Products
(1 results)