2005 Fiscal Year Annual Research Report
モレキュラーインプリンティング法による新規バイオマーカー検出法の創案
Project/Area Number |
17658066
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 利郎 九州大学, 大学院農学研究院, 助教授 (20238942)
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Keywords | テンプレート / バイオマーカー / 分子捕捉法 / ペプチド |
Research Abstract |
HPLC,MSあるいはELISA法等の分析手法に頼ることなく迅速かつ簡便なバイオマーカー検出システムを構築するため、まず合成高分子ポリマーによるマーカー分子特異的テンプレート体の作製を試みた。 1)鋳型ポリマー形成の有無を簡便に検出可能とするため、マーカー分子として水溶性蛍光試薬である5(6)-carboxyfluoresceinを選択した。また、テンプレート用合成樹脂として種々検討した結果、アクリルアミドを用いて各種の包摂試験を行った。その結果、5(6)-Carboxyfluoroscein (1.2mg)、acrylamide (269mg)、N,N'-methylenebisacrylamide (30mg)、10% APS (10μl)、5% N,N,N',N'Otetramethylethyldiamine (1μl)混合組成において5(6)-carboxyfluoroscein存在下でのアクリルアミドの重合と特異的捕捉が認められた。 2)次いで、同ゲルをPVDF膜を装着した96穴マイクロプレート(孔径:0.45μm)内で作製し、20mg/wellのテンプレート形成wellを作製した(室温、24時間)。ゲル硬化後、サクションフィルターによる吸引と脱イオン水による繰り返し洗浄(×3)を行い、蛍光強度として1000以下のテンプレート担体を作製することができた。 3)0-100μg/ml濃度の各種5(6)-Carboxyfluoresceinを調製し、テンプレートwellに対して自然落下方式により蛍光溶液を浸潤させた。その後、脱イオン水による未吸着成分を脱離処理後、蛍光分析(励起波長:485nm、検出波長:535nm)に供したところ、50μg/ml濃度以上で蛍光強度として10000以上の値を得ることができた。すなわち、本シート材には5(6)-carboxyfluoresceinに対して十分な捕捉領域を有するporeがポリアクリルアミドゲル架橋構造内に形成されていることを示唆しており、テンプレート機能を有した機能担体として活用可能なことを示すことができた。
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