2005 Fiscal Year Annual Research Report
個葉レベルから樹冠レベルへ;分光反射特性を利用した新しいスケールアップ手法の提案
Project/Area Number |
17658070
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
角張 嘉孝 静岡大学, 農学部, 教授 (60126026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 譲 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (80283349)
千葉 幸弘 森林総合研究所, 生産技術部・物質生産研究室・室長 (90353771)
水永 博己 静岡大学, 農学部, 教授 (20291552)
韓 慶民 森林総合研究所, 生産技術部・物質生産研究室・主任研究員 (40391180)
王 権 静岡大学, 農学部, 助教授 (50402235)
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Keywords | ブナ / 分光反射特性 / 光合成モデル / 生理生態モデル / 色素 / 海抜高 / スケールアップ / 最大光合成速度 |
Research Abstract |
ブナの分光反射特性を利用したアップスケーリングの手法の開発は多大な成果を上げた。 (1)ブナの葉の分光反射特性のパラメータ(NDVIおよびPRI)は季節を通して測定された。同時に、個葉レベルの最大光合成速度との関係を調べると、ブナ樹冠レベルの光合成速度の最大値をよく表現することがわかった。 (2)光合成の個体差を表現: これまで直接的に光合成を測定することでしか比較することができなかった、光合成の個体差(個体による光合成速度の相異)を近接リモートセンシングを利用することによって間接的に推定することが可能となった。 (3)生態生理学的情報の相同性: 個葉レベルの分光反射特性(色素によって決まる固有の相対反射率によって組み合わされた数値)が直径4.5m程度の大きさを持つ樹冠上のブナ葉群レベルで得られた分光反射特性ときわめてよく似た数値を持ちうることがわかった。 (4)分光反射特性の樹冠レベルから流域レベルへの拡張: ブロードバンドではあるがマルチバンドを持ち、地上分解能が4mを有するIKONOS衛星イメージを利用することにより、流域レベルの生態生理学的情報として拡大することが可能になった(アップスケーリングという)。イメージマップからは、個葉レベルで得られた情報である光合成速度の最大値が、沢筋に生育しているブナで高く、尾根に生育しているブナが低い様子が見て取れる。 (5)林分葉面積の推定 樹冠葉量推定装置の導入によって、多様なブナ林の葉面積が簡便に求めることができるようになった。
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Research Products
(4 results)