2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17658078
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
林 和男 愛媛大学, 農学部, 教授 (80111839)
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Keywords | 木材乾燥 / インプロセス測定 / 含水率測定 / 温度圧力同時同位置測定 / 平衡含水率 / ファイバーセンサー |
Research Abstract |
高周波減圧乾燥、高温乾燥下では乾燥過程中の木材内部圧力は外周圧力より高く外部の空気が材内へ侵入できず、材内圧力は水蒸気のみで維持していると考えられる。すなわち検出される内部圧力は水蒸気分圧Pであり、これと同位置温度に相当する蒸気圧P_Sに対する比から相対湿度φが求まることになる。温度と相対湿度がわかればそれに相当する平衡含水率が求まる。これを測定位置の含水率とすれば、繊維飽和点以下の含水率が測定できることになる。この考えのもと、高温乾燥時の材中央部の温度と材内圧力を測定した。材内圧力は乾燥開始後10時間くらいまでは材内に空気が残存しているため高くなったが、それ以降は材内圧力に相当する沸点と測定温度はほとんど同じであり、この間はほぼ水蒸気だけで圧力を維持していると考えられた。30時間くらい経過すると温度がわずかに上昇し、材内の圧力が減少している。もちろんそれにつれて、材内圧力に相当する沸点も減少している。これは、材内に温度に相当する飽和蒸気圧を維持するだけの水分が無くなったことを示しており、測定位置が繊維飽和点より低くなったと思われる。材温に相当する水蒸気圧と実際の圧力の比率を相対湿度を計算し、材温と相対湿度から平衡含水率を求め、それをその時期の含水率とし、その時点で乾燥を止め試験材を分割し温度と圧力を測定した場所の含水率を全乾法で求めたところ、両者はよく一致し、含水率の新しい測定法の可能性を示した。 高周波減圧乾燥についても検討を加え、推定含水率と実測含水率はよく一致していることを見いだし、新しい発想のインプロセス含水率測定の正しさを確認した。 また、含水率のインプロセス測定を可能にするためには、温度と湿度で変化する平衡含水率表を数式化する必要があるため、平衡含水率の数式化を試み、さらに平衡含水率に及ぼす外周圧力や熱処理の影響、放湿過程と樹種の影響を検討中である。
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