2005 Fiscal Year Annual Research Report
超微細繊維体自己組織化構造センサによる貝毒迅速検出
Project/Area Number |
17658081
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤村 誠 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 学術研究員 (90396333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗林 孝明 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 客員研究員 (70400041)
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Keywords | 貝毒 / 水産学 / バイオセンサ / カーボンナノチューブ / 電界効果型トランジスタ / 容量結合 / 鳥インフルエンザ / 抗原抗体反応 |
Research Abstract |
新型のトランジスタ型センサを発明し超高感度で抗原抗体反応を迅速検出する実験に成功した。 作成法:シリコン酸化膜上に触媒を蒸着し、高温炉内にメタンガスを流入させ、触媒上からカーボンナノチューブを成長させ、この上に電極を形成することにより、カーボンナノチューブをチャネルとした電界効果型トランジスタを作製した。両電極をそれぞれ、ソース、ドレインとした。 検出法:シリコン基板の裏面に酸化膜を予め準備し、ここに抗体を配向修飾させ、抗原を含むサンプルを滴下し、シリコン基板とゲート電極により、サンプルを挟み込む。ここで、ソース-ドレイン間の電流を一定(通常±1V)にし、ゲート電極を変化させ(-20V〜+20V)、その特性を調べると、サンプルの濃度と特性に強い相関関係があることが分かった。サンプルとしては、鳥インフルエンザ・ウイルスフラグメントなどを用いた。 効果:抗原抗体反応後、数秒にして、迅速にサンプル濃度を検出でき、従来法であるELISAに比べて、数千倍から百万倍程度の高感度を示した。但し、ターゲットにより感度は異なる。 新発見:本研究は、(1)従来の電界効果型トランジスタと異なり、シリコン基板両面が酸化膜に覆われ、基板とサンプル等の層全体が巨大なキャパシターを形成する新規なトランジスタ構造を持つ。この為、(2)容量結合により、センサの分子認識素子と信号変換素子の分離を達成することが出来た(抗原抗体反応は未確認)。共に、バイオセンサ分野に留まらぬ広い応用性があり、特許出願した。 課題:貝毒の抗原抗体反応の高感度検出に取り組む。現在、貝毒抗原の入手が難しくこれを所有する研究者と共同で実験に取り組む。また素子製造が難しい為、開発を進め、新素子を創出する。
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Research Products
(4 results)