2006 Fiscal Year Annual Research Report
養魚に伴う水質汚濁負荷軽減と魚病対策のための自発摂餌給餌システムの開発
Project/Area Number |
17658086
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
延東 真 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (80128355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舞田 正志 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (60238839)
片桐 孝之 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助手 (50361811)
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Keywords | 自発摂餌 / 超音波スイッチ / 飼料効率 / 水質汚濁負荷軽減 |
Research Abstract |
魚類の摂餌リズムに合わせた給餌法として研究・開発されてきた自発摂餌装置は、残餌の減少、ストレス軽減、生体防御能の向上など様々な効果を魚にもたらすことが報告されている。今回我々は、自発摂餌飼育した魚の成長・飼料効率向上と、その理由となる食欲・成長に関連したホルモン発現量との関係について検討した。 超音波スイッチを用いた自発摂餌装置を使用して、ティラピア15尾(自発摂餌区)を30日間飼育し'た。対照とした定刻給餌区の供試魚には自発摂餌区に前日給餌された量と同量の餌を一度(午前11時)に与えた。30日後に両試験区供試魚の増重量を測定し、飼料効率を求めた。また26時間にわたり、5回に分けて3尾ずつ採取(脳下垂体、肝臓、胃)した。これについて、インシュリン様成長因子(IGF-I・II)、成長ホルモン(GH)、グレリンのmRNA発現量をリアルタイムPCRにより定量し、相対発現量として比較した。 30日間の飼育実験の結果、平均増重量は自発摂餌区で40g、定刻給餌区で25gとなり、それぞれの飼料効率は107%および65%で有意に高かった。自発摂餌区のIGF-1発現量は定刻給餌区に対し全ての時間帯で上回り、平均した発現量は有意に高いことが分かった。一方、自発摂餌区のGHの平均発現量は低く、IGF-II、グレリンの発現量には明確な差は認められなかった。以上より、超音波スイッチを用いた自発摂餌装置で飼育したティラピアの高成長が確かめられた。またその要因として、IGF-Iの分泌が影響しているようである。
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