2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17658088
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三浦 猛 愛媛大学, 農学部, 教授 (00261339)
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Keywords | 真珠 / アコヤガイ / 血球産生 / 顆粒球 / 無顆粒球 / vasa / 熱ショックタンパク質 / cDNAクローニング |
Research Abstract |
真珠着色の分子メカニズムを明らかにするために、cDNAサブトラクション法により真珠の質を左右する真珠着色タンパク質をコードするcDNAのクローニングの試みを開始した。本年度は質の良い貝と質の悪い貝それぞれ10匹から真珠形成細胞を採集し、mRNAを抽出した。しかしながら、得られたmRNA量が非常に少なかったため、サブトラクションを行うためには更に大量の真珠形成細胞が必要であることが明らかとなった。 真珠形成細胞と血球の分子相互関係の解析の第一段階として、アコヤガイの血球産生機構を解析した。アコヤガイは、摂食により血球数が変化することが経験的に知られている。そこで、アコヤガイを、1)2週間絶食させたもの、2)1週間絶食させ、その後摂食させたもの、3)絶食させないものの3群に分け飼育した。実験終了24時間前、飼育水にBrdUを添加し、実験終了時の血球数を比較するとともに、血球産生部位の特定を試みた。その結果、顆粒球無顆粒球とも絶食の後、摂食させた群で有意に増加することが、明らかとなった。 また、BrdUを含む細胞が、外套膜周辺に局在していたことから、アコヤガイの血球は、外套膜より産生される可能性が考えられた。 新しい真珠産生技術を開発するための道具として、生殖細胞でのみ発現する遺伝子vasaと熱ショックタンパク質HSPのcDNAクローニングを試みた。その結果、現段階で3つのvasa様cDNAと2つのHSP様cDNAの断片のクローニングに成功した。
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