2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17658088
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三浦 猛 愛媛大学, 農学部, 教授 (00261339)
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Keywords | 真珠 / アコヤガイ / 熱ショックタンパク質 / スーパーオキシドジスムターゼ / 選抜育種マーカー / vasa遺伝子 / RNA干渉法 / 生殖腺発達阻害 |
Research Abstract |
赤変病に強いが真珠の質が悪い中国産アコヤガイと、赤変病に弱いものの真珠の質が良い日本産アコヤガイの血球およびエラでの赤変病の耐性と高い相関があると考えられる熱ショックタンパク70(HSP70)およびスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の発現を、昨年度開発した生体外培養系により調べた。その結果中国産貝では、熱の刺激によりHSP70およびSODの発現が著しく増加したのに対し、日本産貝では、熱処理によってもHSPおよびSODの何れも発現が増加した個体は少なかった。しかし、日本産貝の中にも、HSP70の発現およびSODの発現が熱処理によって増加する個体が少数ながら認められたことより、これらのタンパクは病気に強い日本産貝の選抜育種のための優れたマーカーとなる可能性が示された。 真珠養殖では、真珠表面に沈着する"シミ"の形成が、真珠の質を左右する重大な問題となっている。"シミ"の原因である生殖腺の発達を抑えることができれば、質の高い真珠の作成および真珠養殖の効率化につながるものと期待される。そこで本研究では、生殖細胞で特異的に発現するvasa遺伝子の機能をRNA干渉法により抑制し、生殖細胞の形成を阻止することを試みた。RNA干渉法は、海産無脊椎動物で行われた例はこれまで報告されていない。そこで、予備実験としてライフサイクルが14日と短いハダムシを実験動物としてvasa遺伝子のRNA干渉法による不稔化を試みた。その結果、海産動物として初めてRNA干渉法による不稔化に成功した。そこでアコヤガイの不稔化を目指し、昨年クローニングされたアコヤガイvasa遺伝子を用い、RNA干渉法によるvasa遺伝子の機能抑制を試みた。二本差RNAの卵への取り込みを検討した結果、比較的長い二本差RNAをエンドサイトシスにより取り込ませる方法が、最も効率が良いことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)