2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブバイオセンサーによる極微量残留農薬の検出・実用化
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17658107
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武笠 幸一 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 学術研究員(特任教授) (00001280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 晴治 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 学術研究員 (80374726)
松井 博和 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90109504)
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Keywords | カーボンナノチューブ / バイオセンサー / 残留農薬 / 抗原抗体反応 / CVD法 / 農畜産物の安全保証 / 固体表面分子修飾 / 超高感度検出器 |
Research Abstract |
1.カーボンナノチューブ(CNT)電界効果トランジスタ(FET)を作製し、有機リン系農薬とアセチルコリンエステラーゼ(AChE)との相互作用を利用して、有機リン系残留農薬を迅速・高感度に検出できるシステムの構築を試みた。 2. FETは、触媒形状・作製法を検討し、CVD法によりCNTを成長させ、半導体デバイス作製プロセスを用いてCNTバイオセンサ素子を作製した。 3.組換えAChE(rAChE)は以下の方法で調製した。ショウジョバエpoly(A)+RNAを材料とし、C末端にヒスタグを付加したrAChE cDNAを昆虫細胞発現ベクターにサブクローンし、High Five細胞培養上清からrAChEを回収した。CNT素子のゲート電極上にNTA-Ni^<2+>を介してrAChEを固定化した。各農薬は、低濃度溶液から順番にゲート電極面に滴下(各50μl)し、半導体パラメータアナライザを用いてI-Vg曲線を観察した。 4.検出結果としては、有機リン系農薬2種(アセフェートとフェニトロチオン)に関して、10ppq〜10pptの範囲で再現性良く電流値の濃度依存性が見られ、検量線が作成された。現行のELISAに比して15,000倍の検出感度を達成したことになる。他方、カルバメート系農薬(フェノカルブ)および除草剤(プレチラクロール)を測定した場合は、濃度依存性は見られなかった。有機リン系農薬に特異的な超高感度検出可能な測定系を確立した。 5.今後、(1)農薬の種類を増やし、特異性を確認、(2)各種農薬特異的抗体(抗体入手については、分与許可済み)を用いた検出系を構築、(3)半導体パラメータアナライザは、高価で携帯不可能なので、フィールド使用可能な検出装置を試作、(4)農産物試料を用い、結果の再現性を確認するとともに、必要に応じて試料の前処理方法を検討する等の試験を行い、農業生産者が圃場で使用可能な極微量残留農薬の検出・実用化を目指す。
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Research Products
(8 results)