2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17658131
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
服部 真彰 九州大学, 大学院農学研究院, 教授 (60175536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 伸彦 九州大学, 大学院農学研究院, 助教授 (00363325)
宗 知紀 九州大学, 大学院農学研究院, 助手 (90221340)
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Keywords | 転写活性 / 刺激-応答 / 細胞分化 / 生殖組織 / ホルモン / 受容体 / サイトカイン / 細胞培養 |
Research Abstract |
視床下部の視交叉上核(SCN)に存在するマスター遺伝子が全体的な代謝や行動の概日リズムを支配している。その中枢組織の他に、末梢組織でも時計遺伝子は駆動していて、細胞増殖・分化に関係する遺伝子等の発現制御に深く関わっていることが最近の研究から明らかにされつつある。本研究課題の最終的な目標は、末梢組織におけるこの振動リズムの発生メカニズムを解析することである。そのために主要な時計遺伝子Per2のプロモーター領域(E-box7個、CRE1個)とレポーター遺伝子(ルシフェラーゼ遺伝子)を連結したベクターを導入したトランスジェニックラットを用いて、時計遺伝子の概日リズムをクロノスでリアルタイムに測定する系を構築した。生殖組織(卵巣、精巣、子宮、前立腺)から細胞を分離・培養して、ホルモンを添加することにより時計遺伝子の振動リズムを測定した。この実験から、(1)振動リズムを持たない細胞が存在すること、(2)細胞分化によって振動リズムのプロフィールに変化があること、(3)内分泌環境によって振動リズムに変化が見られる、等々の知見が得られた。例えば、卵巣の未成熟顆粒膜細胞は振動リズム駆動刺激に対して、連続的なリズムとなって振動しないのに対し、最終分化した黄体細胞は連続的な振動リズムを形成した。この検出系は、時計遺伝子振動リズム入力の解析に有効であることが示された。今後、この入力刺激によって誘導される遺伝子の発現(出力)の検出系の開発に有力な方法として期待される。
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Research Products
(5 results)