2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17658139
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松木 直章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40251417)
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Keywords | 猫 / 糖尿病 / インスリン / c-ペプチド / 測定系 / 組換え製剤 |
Research Abstract |
猫の糖尿病の診断・治療法を確立し、糖尿病臨床を再構築することを目的として、以下の研究を実施した。 a)猫のインスリンならびにc-ペプチド測定系の確立:まず、猫の血中インスリンに対するELISA法を作成するため、猫インスリンA鎖およびB鎖をペプチド合成し、常法に従ってマウスモノクローナル抗体ならびにウサギポリクローナル抗体を作成した。精製したこれらの抗体を用い、サンドイッチ法による血中インスリン測定法の開発を試みた。現在のところ、開発中のELISAは感度が低く、臨床応用には至っていないのが現状である。また、C-ペプチドについてはN末端側とC末端側に分けてペプチド合成し、マウスモノクローナル抗体の作成を試みた。抗体は現在作成中である。 b)猫の糖尿病の病型分類ならびにサーベイランス:東京大学附属家畜病院に来院する糖尿病の猫について、治療前後を含む臨床データ、血液試料を収集した。これらの血液試料は、インスリン測定系ならびにc-ペプチド測定系の完成次第、それらの項目を検討し、糖尿病の疾患分類や診断法の再構築に用いる予定である。 c)組換えネコインスリンの合成、結晶化:過去に報告されたネコインスリンの相補的DNA配列をもとに、酵母を用いたインスリン合成系を開発中である。合成にはヒトインスリンと同様の方法を用いているが、おそらくネコインスリンの構造に起因する問題で、A鎖・B鎖いずれの合成にも成功していない。来年度は別の発現系を用い、合成を継続する。
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