2005 Fiscal Year Annual Research Report
ネコ科動物における血清アミロイドA蛋白の病態への関与と臨床応用に関する検討
Project/Area Number |
17658140
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大野 耕一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90294660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 亮平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (80172708)
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Keywords | 血清アミロイドA(SAA) / 急性相蛋白(APP) / ネコ科動物 / 炎症 |
Research Abstract |
平成17年度 1)ネコ血中SAA濃度の迅速測定法の開発 ネコSAA遺伝子のクローニングを行い,GeneBankに登録を行った。クローニングされた遺伝子は390塩基(127アミノ酸)の全翻訳領域を含むものであり,他種のSAAと高い相同性を示した。今回クローニングされた遺伝子はシャムおよびアビシニアンにおいて同定されているAA蛋白に相当した。クローニングされた遺伝子から大腸菌を用いてリコンビナント蛋白の発現を試みたが,大腸菌に対する毒性が認められて,十分な発現が得られなかった。 ネコSAAの測定法として,市販のELISA法およびヒト用に開発されているラテックス凝集免疫比濁法の2つを比較検討した。その結果いずれの方法でも濃度依存性の結果が得られた。測定精度についてはELISAでは高い希釈直線性が示されたが,ラテックス凝集免疫比濁法では低濃度域で正確な希釈直線性は得られなかった。LPSを投与したネコ1頭についてSAA濃度の経時的な測定を行ったところ,投与8時間以内に明らかなSAA濃度の上昇がみられ,16時間でピークを認めた。去勢手術を受けたネコ6頭では術後24時間以内に血中濃度の有意な上昇を認めた。 2)症例を用いたネコSAA濃度の測定 1)で開発したネコSAA測定系を用いて,動物医療センターに来院する各種ネコ症例(感染・炎症性疾患以外についても測定する)の血清サンプルを集めて測定を行った。SAA濃度は疾患群では8.43±24.79mg/mlであり健常群(0.23±0.19mg/ml)に比較して明らかに上昇していた。白血球数との相関は認められなかった。今後はCRP,α1酸性糖蛋白など他の炎症マーカーとの挙動の違いについて検討する。
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Research Products
(1 results)