2005 Fiscal Year Annual Research Report
Stable Isotope Probing法を用いた土壌の脱窒微生物群の同定
Project/Area Number |
17658149
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
妹尾 啓史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40206652)
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Keywords | 水田土壌 / 脱窒 / 土壌微生物 / Stable Isotope Probing法 / 亜酸化窒素 / 硝酸汚染 / 環境調和型農林水産 / 微生物生態 |
Research Abstract |
農耕地においては硝酸性窒素による地下水汚染ならびに温室効果ガスである亜酸化二窒素(N_2O)の生成が大きな環境問題となっている。これらを解決するためには「脱窒の制御」が望まれる。本研究は、従来ブラックボックスであった、土壌において脱窒反応を活発に行っている微生物のメンバーを明らかにして、脱窒の制御へ向けての基礎的情報を得ることを目的とし、環境中で実際に機能している微生物集団を特定する方法であるStable Isotope Probing法を中心とした実験を湛水土壌に適用して行い、「湛水土壌で実際に脱窒に寄与している土壌微生物メンバーの同定」を行う。今年度は次の2項目の実験を行った。 1.脱窒を選択的に促進する基質ならびに硝酸の濃度と土壌の培養時間の設定 脱窒を選択的に促進する基質を2種類選定した。これらの基質ならびに硝酸の濃度を段階的に変化させて土壌に添加し、アセチレンブロック法を適用して土壌をインキュベートした。経時的に気相のN_2O, CO_2発生量を定量して、SIP法を実施するのに最適な基質濃度と硝酸濃度、ならびにインキュベート時間を決定した。 2.基質の選択的脱窒促進効果の確認 脱窒の選択的基質として選定した候補物質と硝酸を1.で決定した濃度で土壌に添加してインキュベートし、硝酸、亜硝酸、アンモニア、Mn^<2+>、Fe^<2+>の定量を行い、選択的脱窒促進効果を確認した。
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